権現堂橋

 場所:中川、埼玉県幸手市上宇和田
 形式:コンクリート・ラーメン橋(3スパン)、長さ17.9m、幅3.6m 建設:昭和3年(1928)11月

 権現堂橋  ←権現堂橋 (下流から)
 橋名は、
権現堂川に由来すると思われる。
 権現堂川は、かつては利根川の本流だったが、
 昭和初期に実施された河川改修工事で廃川となった。
 この付近の中川はその工事によって、権現堂川と庄内古川の
 流路を改修して、新たに河道を掘削して中川に繋いだものである。
 なお、権現堂橋に隣接する(写真の左側)、宇和田公園は
 権現堂川の右岸堤防を保存して、公園化したものである。
 公園内には河川の改修や水害に関する数多くの碑が移築されている。

 権現堂橋の親柱には、昭和3年竣功と記されているので、
 権現堂橋は、大正6年から始まった
中川の改修工事
 建設されたと思われる(この付近の河川改修は昭和5年頃)。
 しかし、その後に大幅な改修を受けているようで、現橋は
 ラーメン構造となっている(→注)。なお、権現堂橋の上流20mには
 
権現堂堰と呼ばれる古い水門が残っている。権現堂橋の橋台と
 権現堂堰の翼壁は連続していて、一体構造となっている

 橋脚と桁
↑橋脚と桁 (下流から)
 橋脚と桁が一体化したラーメン構造。
 主桁は3本。橋脚は2本の柱で構成され、
 水抜きはない。

   親柱と欄干   
  ↑親柱と欄干
   親柱は花崗岩製。0.32m角で、高さは1.2m。
   天端は笠石風になっていて、0.42m角で厚さが20cm。
   親柱の側面には竣功年が刻まれている。

(注)庄内古川島中領羽生領五霞村悪水路改修工事概要、
 庄内古川悪水路普通水利組合外三組合/編、1928のp.52に
 権現堂橋の概要が記されているが、”橋桁ノ混擬土ヲ単桁トシテ...”
 とあるので、建設当初からラーメン橋だったようである。


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