岩槻橋

 場所:元荒川、埼玉県岩槻市本丸四丁目〜南平野
 形式:RC桁橋(ゲルバー桁、5スパン) 長さ 78m(歩測)、幅 5.8m  竣工:昭和16年(1941)

 岩槻橋  ←岩槻橋 (右岸下流から)
 県道2号さいたま春日部線が元荒川を
 渡る地点に架かる道路橋。
 県道2号はかつての国道16号線であり、
 昭和16年に岩槻新道として開通した。
 現在の16号線は岩槻大橋から900m下流にあり、
 そこには岩槻大橋が架かっている。
 岩槻橋は2車線だが、下流側には水管橋と
 側道橋(1985年竣工、歩行者専用)が設けられている。
 現橋は当初の形態ではなく、欄干(鋼製で高さ90cm)は
 改修されているようである。

 なお、この付近の元荒川には岩槻橋の前には太田橋が
 架かっていたようである。右岸橋詰から西へ30mの道路脇
 (岩槻市太田481付近)には、太田橋(大正13年5月竣工)の
 親柱が2本放置されている。これらは花崗岩製の
 角柱(一辺が30cm)で、高さは120cm。
 

 ゲルバー桁

 ←ゲルバー桁 (上流右岸から)
 左岸から1〜4スパン
 ゲルバー桁という名称は、考案者のドイツ人ゲルバーに
 由来する。スパン長を長くしても、桁厚を薄くできることや
 橋脚基礎部の不等沈下に対して耐力があるのが利点とされる。
 岩槻橋のスパン長は約16mであり、当時のRC桁橋としては
 長い方である。ゲルバー桁は、連続桁と吊桁で構成され、
 連続桁の部分は片持ち梁である。岩槻橋では左岸から数えて、
 奇数番のスパンの桁が連続桁であり、偶数番のスパンの桁が
 吊桁となっている。写真の中央(第3スパン:連続桁)の桁は、
 隣のスパンまで張り出していて、しかも端部がL字の形状であり、
 その上に吊桁(第4スパン)が置かれている。
 なお、岩槻橋の桁は3主桁で構成されていて、橋脚はラーメン形式。

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