高麗川橋 (こまがわ)

 場所:高麗川、埼玉県日高市南平沢〜北平沢
 形式:RC桁橋(ゲルバー桁、7スパン) 長さ 96m 建設:昭和15年(1940)8月

 高麗川橋  ←高麗川橋 (上流から)
 県道30号飯能寄居線(相模街道)が高麗川を
 渡る地点に架かる道路橋。2車線で下流側には
 側道橋(歩行者専用、1978年竣工)が設けられている。
 高麗川橋から100m下流ではJR八高線(1932年開通)も
 高麗川を跨いでいる。高麗川橋の竣工は日本が戦時体制に
 突入し、物資が不足した昭和15年である。左岸の親柱には
 昭和十五年八月竣工の銘が残されている。
 竣工当時、この地は入間郡高麗川村であった。

 現橋は当初の形態ではなく、欄干が改修され、
 橋脚の一部(右岸の第一橋脚はT形)は形式が変更されている。
 高麗川の河床には木製の杭、RC製の橋脚跡が残っていて、
 高麗川橋の三世代に渡る変遷が垣間見れる。
 なお、高麗川橋の左岸橋詰に位置する長沢酒造は
 弘化4年(1844)創業の老舗の造り酒屋である。

 親柱
↑親柱 (右岸)
 架橋当初のものではなく、
 後年に設けられたもの。
 高さ1.8m、下部は一辺0.3mの
 角柱。上部はアーチ状に
 なっていて、内部には小鳥の像が
 置かれている。高麗川に
 棲息するカワセミであろうか。

   ゲルバー桁
  ↑ゲルバー桁 (上流から) 右岸から三番目の径間
   ゲルバー桁という名称は、考案者のドイツ人ゲルバーに由来する。
   スパン長を長くしても、桁厚を薄くできることや橋脚基礎部の
   不等沈下に対して耐力があるのが利点とされる。
   高麗川橋のスパン長は約14mであり、当時の桁橋としては長い方である。
   ゲルバー桁は、連続桁(写真の左端と右端)と吊桁(写真中央)で構成され、
   連続桁の部分は片持ち梁である。連続桁の端部がL字の形状となっていて、
   その上に吊桁が置かれている。高麗川橋の桁は4主桁で構成されている。
   桁の支承部を隠す半球体は竣工当初からのもののようだ。
   橋脚の頂部に設置されている鋼材は耐震補強のためだろうか。

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