通り前橋　（潜水橋）

　場所：谷田川、群馬県邑楽郡板倉町海老瀬
　形式：鋼桁橋（3スパン、古レール使用）　長さ 30m（歩測）、幅 2.1m　　建設：不明　

←通り前橋　（上流右岸から） 　谷田川の下流部、合の川橋（国道354号線）から 　250m上流に架けられている。合の川橋(昭和33年竣工）が 　完成する以前から存在していたというから、通り前橋の竣工は 　昭和20年代末から昭和30年代初期にかけてであろう。 　ここから100m南の谷田川の旧流路（河川敷内）にも、 　この橋とまったく同型の橋が架かっているが、 　橋長は通り前橋の方が約10m長い。 　これらの橋は歩行者専用の潜水橋（川が増水すると 　水面下となってしまって通行不可能となる）である。 　本橋を地元の人は、通り前橋と呼んでいるが、 　（この付近の小字名である、通りに由来するようだ）、 　それが正式名なのかは不明である。 　通り前橋の左岸橋詰にはヤナギの大木があり、 　橋面には枝が垂れ下がっている。付近には藁葺き屋根の 　民家もあり、木製の潜水橋と相まって懐かしさを感じさせる、 　素朴な水辺の景観が展開している。

↑桁と橋脚（右岸から） 　通り前橋はかなり老朽化している。左岸側の橋脚は 　上流に向かって傾いている。その影響か橋軸も 　直線ではなくなっていて、左岸堤防上から橋を眺めると 　曲線橋かと見まごう形態を呈している。

↑桁の古レール 　　　橋面は木製で、鉄道の枕木を再利用している。 　　　枕木は古レールに鉄線で結束されている。橋の構造は２主桁であり、 　　　桁は鉄道の古レール。○にSの刻印が確認できるので、 　　　官営八幡製鉄所が製造したレールであろう。→レールの刻印

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