館川 (その1) (その2

 館川(たてかわ)延長約2.1Km、流域面積8.8Km2の荒川水系の一級河川。
 埼玉県比企郡小川町腰越(こしごえ)字赤木を管理起点とし、北東へ向かって流れ、
 小川町腰越字小貝戸で槻川の右岸へ合流する。小川町の腰越地区のみを流れる小河川だ。
 館川は砂防指定河川であり、最上流には館川砂防ダムが設けられている。
 主な支川は上流から、栗山川、赤谷沢、館沢、小貝戸沢である。
 どれも渓流や沢だが、館川はその延長の割には支川が多い。

 館川の源流
(1)館川の源流(下流から) 小川町腰越(こしごえ)
 碑原峠の付近。館川ダムの脇から森林管理道を上り続け
 ると碑原峠(ときがわ町大野と小川町腰越の境)に辿り着く。
 碑原峠を東へ進むと、ときがわ町西平の山中には霊山院と
 慈光寺があり、さらに下ると松郷峠(ときがわ町雲河原と
 小川町下古寺の境)へ出る。慈光寺は天武二年(673)
 創建とされる県内最古の寺院である。
 写真のように館川の源流はスギとヒノキの森林の中にある。
 小さな沢を流れる水が幾筋も集まって、下流で館川となる。
   館川ダムとダム湖
  (2)館川ダムとダム湖 (右岸から)
   (1)から1.4Km下流。館川ダムの流域面積は約2.6Km2
   紺碧のダム湖の左岸には笠山(標高837m)、右岸には
   金岳(標高539m)が控える。笠山は槻川と館川の
   金岳は都幾川と館川の分水界となっている。
   この付近の林道には、クマ出没注意と落石注意の標識が
   あちこちに立てられている。崩壊した切り通しも所々で見られる。
   なお、館川ダムから下流へ100mの左岸には、断崖の上に
   三嶋神社が祀られている。

 館川ダム
(3)館川ダム(下流から)
 館川流域の砂防と利水を目的として昭和58年(1983)3月に
 建設された。砂防とは土砂流出災害を予防すること。
 形式は重力式コンクリートダムで 副ダム(写真手前)が
 併設されている。本ダムは堤高26.0m、堤頂長95.0m、
 副ダムは堤高8.5m、堤頂長52.0m。砂防ダムとしては
 かなりの規模である。なお、館川ダムの左岸下流には
 小さな広場が設けられていて、駐車場、トイレなどがある。

   
赤木地区を流れる館川
  (4)赤木地区を流れる館川(上流から)
   (3)から400m下流。館川の渓流美と里山の風景が始まる。
   館川沿いには民家が転々と連なっている。館川の川幅は
   約6mだが、見た目にも河床勾配は急であり、絶えず
   水の流れる音が聞こえてくる。小さな沢や渓流が館川へ
   合流しているからだ。館川に流れている水は透明度が高く、
   一帯がホタルの生息地だというのが納得できる。
   川幅が狭い箇所には古い趣の
上路トラス橋が架かっている。

 館川の管理起点
(5)館川の管理起点(下流から)
 (4)から200m下流、栗山川が館川の左岸へ合流する。
 合流地点には橋が架かっていて、橋の上に館川の
 一級河川の管理起点が設置されている。
 この周辺は県立長瀞玉淀自然公園となっているが、
 館川に沿って、道路には石仏が数多く祀られている。
 この峠道は昔からの古道であり、面影が今も残っている。

   
管理起点付近の河床
  (6)管理起点付近の河床(下流から)
   (5)から100m下流。館川の河床には岩と礫がほとんどだが、
   この付近は特に巨大な岩が多く分布している。
   左岸の岸辺には2基の祠があり、天保三年(1832)建立の
   二十二夜塔などが祀られている。ここは林道栗山線の
   小川町起点でもある。栗山線は栗山川の左岸に沿って
   笠山堂平方面へと続く。

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