分水工

利根大堰から取水した水は沈砂後大分水工で
  行田浄水場(上水)
、武蔵水路見沼代用水路、埼玉用水路、邑楽用水路に分水されます。

分水先 行田浄水場 武蔵水路 見沼代用水路 埼玉用水路 邑楽用水路
流量(m3/s) 4.108 50.000 44.633 34.036 5.461
比率(%) 3.0 36.2 32.3 24.6 4.0

 (注)本ページの画像は、CAMEDIA C-2000Z(211万画素)で撮影しました。

 大分水工  ←大分水工(下流側から撮影)

  管理橋の向こう側が沈砂池。
  各水路は隔壁で仕切られています。
  このような方式を背割による定比分水といいます。
  取水量の不公平をなくすために、隔壁を設けることで
  取水量に応じた水路幅が決まられています。
  手前から見沼代用水路、武蔵水路、
  さらに奥に埼玉用水路と邑楽用水路。
  邑楽用水は群馬県の農業用水路ですが、
  埼玉県側で取水してから利根大堰上流の
  河床下をパイプで潜って送水しています。
  つまり、利根川の底には水が流れるパイプが
  埋め込まれているのです。
              分水の直後(下流側から撮影)→

              左から、見沼代用水、武蔵水路、
              埼玉用水路。
              大分水工の敷地内には、
              許可なく入ることはできません。
大分水工
 分水の直後  ←分水の直後(下流側から撮影)
  埼玉用水路

 利根大堰から取水する農業用水路では、
 利根大堰が建設される以前から、
 冬期にも水路の維持用水を取水していました。
 維持用水とは文字通り、水路の維持に必要な水のことです。
 用水路は使わない季節でも、ある程度の水を流しておかないと
 土砂が堆積して、次第に埋まってしまいます。
 維持用水は慣行水利権として認められたものでしが、
 利根大堰の建設後には、何故か取水許可がおりなかったそうです。
 利根大堰から取水した農業用水は、最終的には
中川水系
 中小河川へと循環します。これらの中小河川ははっきりした水源を
 持たず、水田からの落ち水が主水源ですので、
 冬期になると水量が激減し、水質汚濁等が問題視されるようになりました。
 河川維持の点からも、冬期通水の復活が熱望されていたのですが、
 ようやく平成5年から冬期の通水が試験的に復活しています。

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