諸富鉄橋 (もろどみ)

 撮影地:佐賀県佐賀郡諸富町 、筑後川
 
形式:昇開橋、ワーレントラス(昇降式)+鋼製桁橋、長さ430m、15スパン  竣工:昭和15年(1940)

 諸富鉄橋は1940年に架けられた旧国鉄・佐賀線の鉄道橋である。
 鉄道省の技師が設計し、横河橋梁製作所が製作した。1987年の佐賀線廃止によって、
 現在はもう使われていないが、かつては東洋一の規模を誇った昇開橋(昇降式可動橋)である。
 諸富町と大川市は筑後川の河口付近に位置し、昔から舟運が盛んだったので、鉄道の開通に
 よって、それを妨げないようにと、橋梁の形式として可動橋が選択されたのだと思われる。
 現在は諸富鉄橋は筑後川昇開橋の名称で、国の重文(登録有形文化財)となっている。
 なお、対岸の福岡県大川市では、大川鉄橋ではなく筑後川橋梁と呼んでいるそうだ。

 (注)本ページの画像は、FUJIFILM FinePix 1700Z (150万画素)で撮影しました。

 諸富鉄橋 可動式のレール
↑諸富鉄橋(中央部が可動式のレール)
 橋の中央には、船が下を通れるように可動式の
 レール(長さ24m)が設けられている。そのため中央部の
 径間は狭くなっている(橋脚はコンクリート製)。
 赤いトラス(水平の桁と垂直のタワー部分)が印象的だ。

   列車が通る毎に上下する
  ↑上がったレール
   レールは列車が通る時には下げ、船が通る時には
   写真のように上げられていた(昇降差は23m)。
   現在も1日10回程度、定時に開閉(昇降)を行っている。
   鉄の骨組みの橋が昇降するのを、近くで見ると圧巻だ。

     
動く橋
    ↑動く橋
     東京の隅田川には勝鬨橋(かちどき)という、
     可動橋(道路橋)がある。形式は諸富鉄橋とは
     異なり、跳開橋(ゴッホの絵みたいな
     跳ね上げ式)だけど、交通事情から
     もう30年も跳ねてない(^^;)
     諸富鉄橋は現役を引退しても動いてるのにね。

      
赤いカマキリ?
     ↑赤いカマキリ?
      古いトラスなのでリベットを多用した造りだ。
      垂直材付きのワーレントラス。トラスを構成する鋼材は、
      シングルレーシングで結合されている。
      諸富鉄橋の周辺は平成8年に公園として整備され、
      町民の憩いの場として、愛されている。
      夜間には橋がライトアップされるそうだ。
      なお、諸富鉄橋の
案内板はセンス抜群!

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