兵右衛門橋

 所在地:安戸落、埼玉県北葛飾郡杉戸町佐左衛門
 形式:RC桁橋(1スパン)、全長 7.5m、幅 4.0m  竣工年:昭和12年(1927)5月

 兵右衛門橋  ←兵右衛門橋(上流左岸から)
 佐左衛門にある兵右衛門橋とは、
 何とも古風な響きである。
 佐左衛門地区は慶長年間(1610年頃)に
 上州三の倉(群馬県)から、この地に
 移り住んだ松田佐左衛門によって開拓されたという。
 兵右衛門もおそらく松田家に関わる人物であろう。
 なお、この橋から北東500mに位置する松田寺は
 松田家の菩提寺として開かれたものである。

 兵右衛門橋は由緒ある橋のようだが、
 右岸側には正規の道路がない。
 橋は充分な幅員があるのだが、右岸は安戸落の
 堤防を道路に兼用しているので、大型車は通行できない。
 なお、兵右衛門橋の上流200mでは、
 
中郷用水(葛西用水の支線)が安戸落の下を
 伏越で横断している。→
安戸落伏越 

 竣工銘板
 ←竣工銘板
 左岸側の橋台に埋め込まれている。
 黒っぽい色の石材に、竣工年、工事費用、
 工事関係者名などが彫られている。
 総工費は670円で、その内201円が県から補助金、
 399円が大字佐左衛門(村の負担か?)、
 70円が鈴木和夫の寄付とある。
 工事関係者には田宮村長、佐左衛門区長、
 埼玉県杉戸土木事務所長などが名を連ねている。
 工事請負人は中山茂、仕立人は中山治平である。

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