柏木橋

 所在地:岩殿沢、埼玉県秩父郡小鹿野町飯田  [この付近の赤平川]

 形式:RCアーチ橋(上路、開腹、1スパン)、長さ38.4m(歩測)、幅4.6m  建設:昭和2年(1927)11月

 柏木橋  ←柏木橋 (右岸から)
 国道299号線(武州街道)の旧道が岩殿沢を
 横断する地点に架かる橋。ここは秩父観音霊場の
 31番札所 観音院への入口でもある。岩殿沢はここから
 300m下流で、赤平川の左岸へ合流している。
 国道299号線には、新柏木橋が架けられている。

 柏木橋の親柱は印象的で、遠目からでも古い橋の
 異彩を放っている。一辺が75cmの角柱で、高さは
 205cmもある。はドイツ表現主義を彷彿とさせる造形だ。
 欄干は素朴な意匠で、開口部はない。
 ただ、高さが95cm(中柱に相当する部分は145cm)あり、
 この当時の橋としては高い。

 なお、柏木橋の竣工当時、この付近は
 秩父郡三田川村だった。三山地区の国道299号線の
 旧道脇には
三田川村の道路元標と村役場が今なお残っている。

 柏木橋
↑柏木橋(下流から)
 古い橋だが状態は良好だ。美しい橋なのに残念ながら、
 全貌を眺めるには、沢の急な斜面を下りて行かねばならない。
 上路式アーチを渓谷に設けた場合、視認性の悪さが
 景観学的な欠点ともいえる。

   アーチ脚部
  ↑アーチ脚部
   アーチの迫高(ライズ)は大きい。岩殿沢の急な渓谷を
   跨ぐために、アーチ脚部は崖の傾斜に合わせて設置されている。
   そのため脚部は橋台から、かなり離れていて、脚部の上には
   頑丈な2重の柱(ラーメン構造)が設けられている。   

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