古利根川堤(仮称)

 
所在地:大落古利根川の左岸、埼玉県北葛飾郡松伏町大川戸

 
古利根川堤とは大落古利根川の左岸に残る旧堤防。現在は天端が生活道路として使われているが、
 松伏町大川戸の宿通地区では、約600mに渡って旧堤防の形状が明瞭に残っている。
 実際、堤防の名称ははっきりしないのだが、武蔵国郡村誌の葛飾郡赤沼村(14巻、p.244)には、
 古利根川堤の記述があり、大川戸村から隣村である赤沼村(現在の春日部市赤沼)にかけて
 堤防が存在していたことがわかる。ただし築堤年代は不明である。
 ”古利根川堤:古利根川に沿ひ村の東方 大川戸村界より西方 銚子口村界に至り
  長九百六十九間一尺(約1.7Km)、馬踏二間(天端幅が約3.6m)、堤敷四間(堤防敷の幅が約7.2m)、
  修繕費用は民に属す”とある。

 古利根川堤(上流から)
(1)古利根川堤(上流から) 松伏町大川戸
 光源寺から南西へ150mの付近、宿通地区。
 写真の右に見えるのが古利根川の左岸堤防。
 古利根川堤よりも低いのだが、現在の本堤だと思われる。
 現状は古利根川堤の平面配置は、本堤と並行した
 二線堤となっている。
   古利根川堤(堤外から)
  (2)古利根川堤(堤外から) 松伏町大川戸
   写真(1)から東へ200mの付近。現況の天端幅は約3m、
   比高は約2m。天端には畑があり、作物が植えられている。
   また安政五年(1858)建立の八大龍王と水神宮が祀られている。
   写真(1)の解説で、規模が大きいにもかかわらず、こちらが
   旧堤防だろうと述べた根拠である。

 寺前用水の付近(下流から)



 (3)寺前用水の付近(下流から) 松伏町大川戸
  写真(1)から400m下流。写真の中央に見えるのは
  寺前用水(農業用水)の取水施設。
  本堤に取水樋管、旧堤防脇には
  揚水機場(ポンプ小屋)が設けられている。
  河川敷に広がる水田には、流作場(遊水地を
  兼ねた農地)の面影がある。

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