名称不明

 所在地:南埼玉郡宮代町東粂原、姫宮落川(左岸)  建設:1882年?
 形式:石造りの堰枠?、ゲート1門

 この構造物は見た目には鳥居の形をした堰枠である。排水路を跨ぐ形で設けられ、
 柱にはゲートの戸当りと思われる溝が付けられている。全体が石造り(花崗岩系)であり、
 笠石には明治十五年五月建立と刻まれている。設置場所からすれば水位調節堰だと思われるが、
 本当に堰枠として使われてきたかの確証はない。笠石に[竣工]ではなく[建立]と記されているのも
 疑問点の一つである。もっとも笠石自体が後から付け替えられた可能性もある。

 名称不明の堰枠  ←名称不明の堰枠?(上流から)

 
この堰枠は白岡町爪田ヶ谷との境界付近、
 東武動物公園の中央園の北側にある。
 東武動物公園(写真奥)の北縁には姫宮落川が
 流れていて、その左岸へ野牛高岩落(農業排水路)が
 合流する付近である。堰枠は野牛高岩落の北側に
 並行して流れる排水路の上に設けられている。
 この排水路はここから約100m下流で姫宮落川へ
 合流する。

 全景
↑全景(上流から)
 建立年?は笠石の下流側の面に刻まれている。
 水路は幅90cm。現在は木製の護岸が施されているが、
 木材が新しいので、改修されたのは最近だと思われる。
 柱の内面間の距離とゲートの戸当りの深さから
 ゲートの幅は1.3mだったと推定される。

   柱と笠石
  ↑柱と笠石
   柱は36cm×25cmの角柱で
   地上高は100cm。
   笠石は40cm×30cmで
   幅が186cm。柱と笠石の接合部には
   モルタル等は塗られていない。
   笠石は柱の上にただ置かれている。

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