沈砂池 (ちんしゃち)

 湛水面積 12,700m2、水深 3.50m(堆砂深1.00m)、 平均流速 0.40m/s

 沈砂池とは、取水した水から砂や泥を落とすための施設です。
 砂や泥を含んだままの水を流し続けると、用水路の底には砂や泥が
 だんだんと堆積し、最悪の場合、水路が埋ってしまうことになります。

 利根大堰の沈砂池 導流部  ←導流部

 利根川の右岸堤防上から。
 写真手前が須加樋管の出口、中央に県道56号
 羽生妻沼線の須加大橋、奥が沈砂池。
 樋管の出口から沈砂池まで150m位あります。
 沈砂池は上空から見ると、台形の形をしています。
 (写真では分りにくいけどね)
 沈砂池の区間では、水路の幅を広くすることで
 流速を極端に遅くして、砂や土を殿させるためです。

 なお、須加大橋の付近では導流水路の下を、
 
北河原用水が伏越(逆サイフォン)で横断しています。
                           中央部→

        水の流れは、写真手前から奥へ。
        各用水路毎に、仕切が設けられています。
        写真の右から、見沼代用水、武蔵水路、
        埼玉用水、邑楽用水。
        邑楽用水は利根川の左岸(群馬県側)の
        用水ですが、いったん、埼玉県側で取水して、
        沈砂後に利根川の下をパイプで潜って、
        群馬県へと送水されています。


        ちなみに沈砂池のある行田市須加の
        須加とは[砂が溜まる土地]という意味です。
        地区名がそのまま、沈砂池ですね。
        砂金は採れないのかなあ。
        砂金が採れれば大儲けできるな(^^;)
利根大堰の沈砂池 中央部
 利根大堰の沈砂池 下流部  ←下流部

 とにかく広い!(長さ150m、幅100m位ある)
 沈砂池の終点には、分水工が設けられていて、
 取水・沈砂した水を各用水路に分配します。

 利根大堰の位置や沈砂池の規模の決定のために、
 30,000m2の広さの水理実験場が建設されたそうです。
 実験場は行田市長野(
埼玉古墳群の近く)に建設され、
 跡地には現在、行田警察署や行田養護学校が建っています。

 なお、利根大堰ができるまでは、見沼代用水が単独で
 利根川から取水していましたが、その時の沈砂池は
 見沼中学校の北側(行田市荒木)にありました。

利根大堰へ戻る