高麗川の古い堤防 [高麗川のページ一覧]
撮影地:埼玉県坂戸市戸口、高麗川の左岸
←高麗川の古い堤防(高麗川の左岸上流から) 戸口橋と北坂戸橋の間の左岸側、坂戸市戸口地区には 現在の堤防の外側(民家の側)に、古い堤防が残っている。 写真の中央が旧堤防、右上が現在の堤防である。 旧堤防は現在の堤防から、直角に延び、西に向かって 約300m続き、龍福寺の付近で市道にすり付いて終わっている。 形態的には連続堤防ではなく、霞堤(所々に開口部が 設けられた不連続な堤防)である。この旧堤防の南側にも 同様の堤防が残っている。南側の堤防は武蔵国郡村誌の 入間郡戸口村(5巻、p.57)に記されている。 ”高麗川に沿ひ 村の南方 塚崎村より起り東方 字南河原に至る 長さ三百九十六間 馬踏一間 堤敷四間 根堅め松樹あり 修繕費用 大破は官に小破は民に属す” 長さ396間(712m)、馬踏(堤防天端)1間(1.8m)と小規模な 堤防なので、周辺では堤防の決壊や水害が多発したのだろうか、 前掲書には戸口村には東論所、西論所という地名があったことが 記されている。論所とは堤防の高さや規模を巡って、周辺住民の 紛争が絶えなかった場所を指す。 |
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旧堤外地 写真の上部が北坂戸橋。現在は旧堤防と現堤防の間は 畑地となっている。 |
龍福寺の南側 天端幅は約2.2m、比高は約1.7m。現在は市道(農道か?)と して使われている。龍福寺の脇には古い火の見やぐらが残っている。 |