槻川  塩沢冠水橋の周辺 (嵐山渓谷から終点まで)  [槻川のページ一覧

 撮影地:槻川、埼玉県比企郡嵐山町鎌形(かまがた)、菅谷(すがや)

 
周囲は比企丘陵県立自然公園に囲まれた自然と史跡の豊かな所である。
 交通は東武東上線(池袋〜武蔵嵐山)で約1時間。
 (注)本ページの画像は、Nikon COOLPIX 995 (334万画素)で撮影しました。

 塩沢冠水橋

 
嵐山渓谷
 嵐山渓谷とは、川を囲む景観が京都府の嵐山
 (あらしやま)に似ていることから、本多静六
 (1866-1952)によって命名された。これが嵐山町
 (らんざん)の由来にもなっている。塩沢冠水橋から
 200m上流の左岸崖上に嵐山町名発祥之地の
 石碑(平成11年建立)がある。
 本多静六は埼玉県菖蒲町出身(注1)
 林学博士で、日本の近代林学・造林学の祖。
 日比谷公園、明治神宮外苑、大宮公園
 (さいたま市)等、70以上もの公園を設計した。
   ヒノキ、コナラ等の保護樹林

   瀬
   この付近の槻川の左岸(注2)は、さいたま緑のトラスト
   基金による保全第3号地に指定されている。ちなみに
   保全第1号地は、
見沼代用水の東縁斜面林
   槻川の左岸には、ヒノキ、コナラ等の保護樹林が延々と続く。
   一方、右岸側の山林にはスギが多く分布している。
   嵐山渓谷付近の槻川には、瀬(水深が浅く流れは急)と
   淵(水深が深く流れは緩い)があちこちに存在し、河相は変化に富む。
   軽やかな水の音が、木々の緑の中に吸い込まれる。
   槻川の蛇行が創り出した嵌入(かんにゅう)地形は見事だ。
   昭和14年に与謝野晶子は嵐山渓谷を訪れ、ここで歌を
   数首詠んでいる。それにちなみ、平成10年に嵐山渓谷には
   与謝野晶子の歌碑が建立された(注3)
   塩沢冠水橋から300m上流の左岸崖上にある。

 槻川の終点:二瀬
↑槻川の終点:二瀬(槻川と都幾川の合流地点)
 二瀬橋(都幾川)から撮影。左が都幾川、右が槻川。
 槻川の第一橋(最下流に架かる橋)は槻川橋。
 都幾川は秩父郡横瀬町の刈場坂峠付近に源流が
 ある延長約30Kmの一級河川。都幾川村、玉川村と
 東へ流れ、嵐山町鎌形で槻川を合流する。
 この地点から1.5Km上流の都幾川左岸には、
 木曽義仲の生誕地(
班渓寺)がある。

   
蝶の里公園   オオムラサキの森
   槻川の右岸は河岸段丘、左岸は断崖である。
   断崖の上には山王古墳群、県立歴史資料館、
   菅谷館跡(畠山重忠の館)、等の史跡がある。
   また、オオムラサキの森、蝶の里公園、野鳥の森、
   ホタルの里、等の多くの自然公園が整備されている。
   p.s.嵐山町には、日本に棲息する蝶の約1/4の62種がいるそうだ。

   なお周辺には、鎌倉街道(鎌倉へ通じる古道の総称)の
   上道(かみつみち)、将軍沢窯跡群、笛吹峠などの名所、旧跡が
   豊富である。鎌倉街道上道は二瀬から1Km下流の
   学校橋の付近で、都幾川を渡河していた。

(注1)本多静六の生誕地(南埼玉郡河原井村)に近い、菖蒲町台の国道122号線と
 県道78号線の合流点にはスポット公園である[みちのオアシス菖蒲]があるが、
 その中には本多静六の顕彰碑と銅像、それと首かけイチョウがある。
 首かけイチョウには、道路工事のために伐採されそうになった東京都の日比谷見附の
 イチョウの木を、本多静六が自分の首をかけて日比谷公園に移植したという逸話が残る。
 [みちのオアシス菖蒲]のイチョウは、首かけイチョウから分株したもの。
 また、菖蒲町では名誉町民である本多静六を顕彰しており、アミーゴ(生涯学習文化センター)

 二階
には「本多静六記念室」が開設されている。母校である三箇小学校の南側には
 [三箇村図書館]と銘された古い門柱が残っているが、当時の村で独自に図書館を
 持っていた例は珍しい。図書館の開設には本多静六が何らかの寄付をしているのだろうか。

(注2)塩沢冠水橋の付近では槻川の左岸、右岸という表現は紛らわしい。
 というのは塩沢冠水橋から西へ100mの地点にも槻川が流れているからだ。
 西側の区間では槻川は北から南へ400m流れ、正山(標高165mの麓)で
 流れを急激に変え、今度は南から北へと流れる。真っ直ぐに流れれば
 西から東へ100mの区間なのだが、槻川は南北に800mも蛇行している。
 南北への大きな蛇行が終了した地点に塩沢冠水橋は架けられている。
 そして塩沢冠水橋の下流から、槻川の流れは今度は東へ変わる。

(注3)与謝野晶子の肖像画が付けられたユニークな歌碑である。
 比企の渓:
槻の川 赤柄の傘を さす松の 立ち並びたる 山のしののめ


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