吹上橋 (ふきあげ)

 場所:元荒川、埼玉県北足立郡吹上町鎌塚四丁目〜本町三丁目
 形式:コンクリート桁橋(1スパン) 長さ15.2m、幅12.1m、斜橋  建設:昭和8年(1933)3月

 吹上橋
↑吹上橋(上流から)
 吹上橋は国道17号線の旧道に架かる橋。吹上町内では、
 旧国道の路線は旧中山道から北東へ約400m離れて
 選定されている。国道17号(大宮〜熊谷間)の改良工事は
 昭和6年から失業救済事業として実施されたが、
 吹上橋はそれに関連して建設されたと思われる。
 同時期には
元荒川の改修事業も行なわれている。
 改修による浚渫残土は国道建設の盛土に転用されたという。
   親柱
  ↑親柱(右岸の上流側)
   親柱は袖柱を兼用したデザインであり、欄干と
   一体成形されている。袖柱は長さ168cm、高さ104cm。
   全体にクリーム色の塗装(モルタル吹き付け?)が
   施されていて、塗装されていない黒い部分が銘板。
   橋名と竣功年がコンクリートに直接、彫り込まれている。
   欄干は橋の中央部分のみ、高さが71cmと低くなっている。
   開口部には、φ47mmのパイプが9本埋め込まれている。

 吹上橋の全景
↑吹上橋の全景(左岸上流から)
 装飾性もあまりなく、無骨な印象の橋である。
 それに対し、同時期に下流100mに設けられた
新佐賀橋は、
 装飾過剰である。吹上橋は戦車が通れるように、
 頑丈な設計がなされたという。元荒川には時局を
 反映した対照的なデザインの橋が連なる。
 現在は道路と橋の繋ぎ目に、耐震ジョイントと思われる
 補強が施されている。

   
主桁
  ↑主桁
   主桁はコンクリートのT形はり(6主桁)。
   はりと直角方向には格子状の補強が施されている。
   (建設当初のものかは不明)
   橋台は建設当時のままだと思われる。
   吹上町内の元荒川には、親水護岸が施されていて、
   自由に水辺に降りられる。
   春には元荒川の両岸は見事な
桜並木で彩られる。

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