鎌倉橋
場所:高麗川、埼玉県飯能市井上字西組
形式:コンクリート桁橋(4スパン) 全長
33.6m、幅員 3.0m(拡幅) 建設:昭和5年(1930)7月
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←鎌倉橋 (上流から) 国道299号線(秩父往還)から高麗川を渡って、 井上地区の坂組集落へと通じる橋。 坂組集落内を西武鉄道秩父線の西側に沿う街道は、 鎌倉坂と呼ばれている。この古道は鎌倉街道なのだろうか。 ちなみに、この付近の標高は145mであり、 鎌倉橋の西側には標高493mの大高山がそびえる。 現橋の建設当時、この付近は入間郡東吾野村(あがの)だった。 東吾野村は昭和31年(1956)に飯能市へ合併して消滅したが、 東吾野村の道路元標は今も鎌倉橋から500m下流に残っている。 鎌倉橋の構造形式は3主桁のT形はりで、橋脚はコンクリート製。 現橋は昭和57年(1982)に拡幅工事が実施されていて、 旧橋の上には新たに、欄干と桁(赤い部分:デッキプレート)が 設置されている。しかし、旧橋の桁と橋脚・橋台は 昭和5年当初のまま、残されている。 なお、親柱と袖柱も橋詰に残されているが、 それから推測すると、旧橋の欄干は鋼製だったようだ。 |
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←桁と橋脚 桁高は60cm、コンクリートの打ち放しではなく、 表面には人造石風の仕上げが施されている。 この人造石の色と質感は、玉川橋(都幾川、 比企郡玉川村、1921年竣工)と非常に良く似ている。 橋脚はごく普通の形式で、上流側には先端の 尖った水切りが設けられている。 橋脚の基礎部分は練り石積みだが、最初に コンクリートを打設して、後から石を貼り付けたのではなく、 最初に石積みを済ませてしまい、それをコンクリート打設用の 型枠として使ったのではないだろうか。 橋台も練り石積みだが、全体が石造りで、 内部にはコンクリートは充填されていないようである。 |