名称不明の橋

 場所:倉松川、埼玉県春日部市樋篭(ひろう)
 形式:RC桁橋(3スパン)、長さ 14m(歩測)、幅 1.8m  建設:昭和15年(1940)?

 倉松川の橋  ←倉松川の橋 (上流から)
 この橋は国道16号春日部野田バイパスから
 150m下流(南側)に架かっている。建設当初は
 道路橋だったと思われるが、幅員が狭いため、
 現在は歩行者専用橋である。
 倉松川はここから1Km下流で中川へ合流するが、
 その区間には、この橋とまったく同じデザインの橋が
 4基もある。春日部市の区間の倉松川は昭和8年から
 昭和15年(1940)にかけて開削された新水路なので、
 これらの橋は、その時に建設されたものだろう。
 所々に露出した鉄筋の形状が直径9mmの
 丸鋼なので、時代的にも合致する。
 倉松川の下流部で橋の分布頻度が高いのは、
 新倉松川の開削によって、それまで陸続きだった土地が
 分断されてしまったわけで、それに対する補償の
 意味合いが強いためだろう。

 桁と橋脚
↑桁と橋脚
 桁は2主桁のT形はり。中央径間が大きめの
 スパン割が採用されている。支承部は桁高が
 大きいため、遠目にはアーチ橋のように見える。
 橋脚はラーメン形式で開口部はアーチ状。

   中柱
  ↑中柱
   欄干はなく、9本の中柱が残るのみである。
   中柱には欄干が付けられていた形跡もない。
   中央部の中柱は幅0.3mで高さが0.4m、他の8本は幅が0.2m。
   中柱の側面には3本のスリットが見られるが、これは意匠である。

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