繰舟橋

 場所:繰舟落、埼玉県羽生市中手子林(なかてこばやし)
 形式:コンクリート桁橋(1スパン) 全長 8.0m、幅員 4.5m  建設:昭和26年(1951)7月

 繰舟橋  ←繰舟橋 (上流から)
 大沼工業団地の東端から東へ300m、
 市道が繰舟落を横断する地点に架かる。
 この市道は旧街道:千津井川岸道である。
 ”加須町から発戸村を経て上野国邑楽郡千津井村に
 通する路なり”と武蔵国郡村誌の埼玉郡
 下手子林村(13巻、p.38)に記されている。
 利根川を越えて群馬県へと通ずる街道であり、
 利根川の渡河は
千津井の渡であった。

 繰舟落は羽生市西部から流れて来る農業排水路で、
 ここから600m下流で
中川の右岸へ合流する。
 繰舟橋は橋名に河川の名が冠されていることからも
 重要度が高い橋だったことがわかる。
 欄干は建設当初はコンクリート製だったようだが、
 老朽化が激しかったのだろうか、鋼製へと改修されている。
 橋の上流側側面には掛樋(水路橋)が併設され、
 農業用水を右岸から左岸へと送水している。

 親柱
 ←親柱
 親柱は高さ110cm、一辺40cmの角柱。
 頂部には笠石?(34cm角、厚さ3cm)があり、
 その上に直径28cmの半球体が置かれている。
 親柱の上に半球体を設置する意匠は、
 昭和10年頃に全国的に流行したようであり、
 埼玉県に建設された橋にも数多くの設置事例がある。
 しかしこの意匠が昭和26年に建設された橋に使われた例は珍しい。
 親柱の側面には40×15×2cmの溝があり、それが銘板となっている。
 溝の中には橋名と河川名(繰舟落)が彫られている。
 なお、竣工年は右岸側の親柱の上流面に彫られている。

戻る:[古い橋の一覧]  繰舟落の古い橋:[上流へ][下流へ] 関連項目:[繰舟落