煉瓦造りの床固め工  榎戸堰下流(元荒川)

 榎戸堰の直下流部の元荒川には、煉瓦造りの床固め工がある。
 床固め工とは、河床の洗掘を防ぐために設けられた構造物のこと。
 この床固め工に使われている煉瓦には、寸法がJIS規格ではない、
 かなり古いものも見られる。旧・榎戸堰に使われていた煉瓦も再利用されていると思われる。

 煉瓦造りの床固め工
 煉瓦造りの床固め工
 ひとつのブロック(煉瓦の塊)は、
 約30×30cm。煉瓦構造物を解体した
 廃材を再利用したもの。
 上敷免製(
日本煉瓦製造)の刻印煉瓦も
 確認できる。
   謎の刻印煉瓦
   謎の刻印煉瓦
   刻印は、左側が丸に[と]、右が[に]。
   煉瓦の実測平均寸法は、228×106×57mmであり、
   JIS規格(210×100×60mm)よりも、かなり大きい。
   大正時代以前に製造されたものだと思われる。
   また、煉瓦の平の面は滑らかで、大正以前の機械成形に
   特有なシワシワは見られない。このことから、この煉瓦は、
   手抜きで成形されたものだと推定できる。
   おそらく、地元の
長島煉瓦工場(1902年創業)が
   製造したものであろう。

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