古川橋
場所:中川、埼玉県幸手市下吉羽〜下宇和田
形式:コンクリート桁橋(5スパン)、長さ 20m(歩測)、幅 5.4m 建設:大正12年(1923)10月
古川橋は大正末期から昭和初期にかけて実施された中川の改修事業で建設された橋である。
庄内古川島中領羽生領五霞村悪水路改修工事概要、庄内古川悪水路普通水利組合外三組合/編、1928の
口絵に古川橋の竣工当時の写真、p.51には橋の概要が記されている。
それによると古川橋は鉄筋コンクリート製で、全長19.6m、径間(4.55m×1+3.64m×4)、
全幅6.06m(有効幅員5.45m)、中央桁下高3.67mである。
建設工事は大正12年(1923)1月6日に起工し、同年10月30日に竣工している。
←古川橋 (下流から) 県道26号境杉戸線の下吉羽交差点から 400m東側に位置する橋。 橋名の古川とは中川が河川改修される前に、 この付近を流れていた庄内古川に由来すると思われる。 古川橋は各スパンの桁高を、支承部から中央部に向かって、 曲線状に変化させてある。このため、古川橋は遠目には 5連のアーチ橋のように見える。桁橋のデザインは単調に なってしまうことが多いのだが、古川橋はリズミカルで 軽やかな印象を受ける。橋台の平面形状にも工夫がなされ、 直線ではなく曲線で堤防へ摺り付いている。 橋面は水平ではなく、橋の中央部が少し高く、 太鼓橋状である。欄干は以前はコンクリート製であったが、 車輌の衝突等で破損してしまったという。 現在は鋼製の欄干に交換されている。 |
↑橋脚と桁 (下流から) 橋脚はラーメン構造。下部の断面形は楕円(長軸46cm、 短軸33cm)、上部の断面形は33cm角の正方形である。 桁の構造は5主桁のT形はりで、上下流の桁側面のみ アーチ状となっている。構造的には桁橋なのだが、 造形的にはゲルバー橋風である。 |
↑親柱 全ての親柱が損壊し、橋の周辺や中川の河床に放置されている。 親柱は高さ 1.15m、一辺0.36mの角柱。 花崗岩製で表面には、コブ出し仕上げがなされている。 側面には銘板が付けられていたと思われる跡が残っている。 頂部は笠石風になっていて、半球体の飾りが付いている。 |