黒谷川橋梁(くろや)

 所在地:黒谷川、埼玉県秩父市黒谷  秩父鉄道の皆野駅と黒谷駅の間
 形式:ポーナル型プレートガーダー橋(3連、全長約21m)、煉瓦橋脚・橋台  建設:大正3年(1914)

 黒谷川橋梁
↑黒谷川橋梁(上流右岸から)
 東昌院の東側、国道140号線の脇にある。写真の左端に
 見えるのが国道140号線。黒谷川橋梁は黒谷川が荒川の
 左岸へ合流する地点に架かるのだが、この付近の荒川は
 渓谷であり、国道140号線が左岸堤防のような形態なので
 黒谷川橋梁は河川敷の中に設けられたような印象である。

   橋台と橋脚
  ↑橋台と橋脚(上流左岸から)
   橋台と橋脚の煉瓦は
イギリス積みで組まれている。
   橋脚の断面形状は長方形で隅部には補強材(隅石)はない。
   使われている煉瓦には上敷免製の刻印があるので、
   
日本煉瓦製造(深谷市)で造られたもの。


 煉瓦橋脚と桁
↑煉瓦橋脚と桁
 中央径間は桁高が大きいので、橋脚の天端は水平では
 なく段差を設け、桁をかけ違いにしている。
 支承部には床石が設けられている。
 スパン長は左右の径間が6.09m、中央は9.14m。
 設計荷重はKS-15。

   桁に残る2つの銘

  ↑桁に残る2つの銘板
   桁は垂直補剛材の端部がJの形に曲げられていて、
   ポーナル型のプレートガーダーと同じ形式だが、
   これは輸入桁や転用桁ではなく、製造は汽車製造会社(銘板あり)。
   現在は桁の下部フランジに、魚腹形の下吊り補強がなされているが
   これは銘板によると、昭和38年に実施されている。

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