辯天門樋の翼壁

 川表の下流側から
↑川表の下流側
 
翼壁と袖壁は曲面で構成されている。
 しかも袖方向へ向かって、ねじりが入っている。
 これは設計図に記された通りの施工方式である。
   川表の天端から
  ↑川表の天端から
   川表の上流側の翼壁・袖壁のみ直線である。
   排水を忍川の流れに対して、斜めに落すためだろうか。

     翼壁天端は煉瓦3段を迫り出しに積んである。
     それも小口縦-長手横-長手横という
     
変った積み方であり、埼玉県に現存する樋門では、
     辯天門樋でしか見られない。
     翼壁天端のねじり施工には、
加工煉瓦
     使われている。ねじりが加えられた意匠を持つ、
     煉瓦水門は、非常に希少で埼玉県には
     弁天門樋と
天神沼樋(吉見町、1903年)の
     2基しか現存しない。

     翼壁と胸壁の結合部は、
     煉瓦をテラス状に積み、安定感を演出している。
     翼壁の内側とアーチは通常の煉瓦だけを使って
     曲面に仕上げられている。
     小さな構造物なので面の曲率は大きいのだが、
     煉瓦組みは
イギリス積みである。
     煉瓦だけで、ここまで緻密な形状が
     施工できるんだね。
   川裏の天端から
  ↑川裏の天端から(水は川表から川裏へと流れている)
   COOLPIXならではの変態的構図!

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