新奈良川 (その2) (その1)
撮影地:埼玉県熊谷市、旧大里郡妻沼町
(1)境田渡橋の付近(下流から) 右岸:熊谷市上奈良、左岸:熊谷市上江袋 新奈良川第2調節池の西側付近。写真の左上が 第2調節池。調節池付近の水路は複断面となっている。 右岸にはまだ一面に農地が広がっているが、 左岸側は新興住宅地となっている。上江袋地区には 北武蔵団地などがあるので、左岸にも雨水流出抑制の ために、小規模な調整池が設けられている。 |
(2)境橋の付近(下流から) 右岸:熊谷市中奈良、左岸:熊谷市西野 写真(1)から1Km下流。この付近の川幅(堤防天端間の距離)は 約17m。境橋(2001年竣工)は国道407号熊谷太田バイパスの 道路橋。橋名のとうり、熊谷市と旧妻沼町の境界に架かる。 ここから400m下流の県道341号熊谷太田線(妻沼往還)に 架かる橋の名前は入胎橋である。この付近の新奈良川は 入胎堀(注)の旧流路を改修したのだろうか。 |
(3)新奈良川第1調節池(右岸から) 左岸:熊谷市西城(にしじょう)、右岸:熊谷市下奈良 写真(2)から1.2Km下流。右岸側に新奈良川第1調節池が 設けられている。写真の左上は調節池の管理橋である 葉草橋(1990年竣工)。橋の下には越流堤が設けられて いる。調節池の東側は奈良川(普通河川)の起点である。 |
(4)奈良川橋の付近(上流から) 熊谷市西城 写真(3)から300m下流。森谷中橋と奈良川橋の間の区間。 右岸の側壁に設けられた排水口は西城5号樋管。 生活排水をへ新奈良川へ放流していると思われる。 新奈良川に設けられた直径30cm程度の小規模な樋管は みなこの形式であり、敷高は高い。 |
(5)新奈良川橋の付近(上流から) 熊谷市西城 写真(4)から400m下流。写真の奥に見えるのが福川の 右岸堤防、新奈良川の終点である。合流地点には 新奈良川排水機場(平成15年竣工)が設けられている。 新奈良川の左岸には江袋第一揚水機場があり、用水は 西城伏越などによって新奈良川の下を横断している。 新奈良川橋は県道263号弁財深谷線の道路橋。 弁財とは福川左岸の地区名だが、この県道はほぼ全線が 福川の右岸に沿っている。 |
(6)新奈良川の終点(下流から) 右岸:熊谷市西城、左岸:熊谷市田島 写真(5)から300m下流。写真は福川の右岸堤防上から撮影。 新奈良川の第一橋(最下流に架かる橋)は下田島橋である。 新奈良川は福川の右岸へ樋管を経由して合流する。 大雨などで福川の水位が上昇して、樋管による自然排水が 不可能な場合に備えて、新奈良川排水機場(ポンプ排水)が 設置されている。福川の対岸には旧福川排水機場がある。 この付近の福川は昭和初期に開削された人工水路である。 |
(注)武蔵国郡村誌の幡羅郡上奈良村、中奈良村、下奈良村、西野村、
田島村、西城村などに記述があり、幡羅郡の主要な排水路だったと
思われるのが入胎堀(にゅうたい)である。しかし、現在はその名称を
冠した排水路は残っていない。入胎堀は前掲書の西野村(10巻、p.264)によれば、
”深処三尺八寸浅処三尺巾二間 村の西方上江袋村より来り東方田島村に入る
其の間七町三十間 田十一町四反二畝歩の悪水を流下す”