清水橋

 場所:忍川、埼玉県熊谷市平戸〜戸出
 形式:RC桁橋(1スパン)、全長 6.9m、幅 7.2m  建設年:不明

 清水橋は古い歴史を持つ橋であり、武蔵国郡村誌(明治9年の調査を基に編纂)の
 埼玉郡平戸村(13巻、p.325)に”行田道に属し村の東 戸出村の界 上忍川の下流に架す
 長三間巾九尺 石造”と記されている。この石橋は長さ5.5m、幅2.7mと小規模であり、
 形式は2ないし3スパンの桁橋だったと推測される。おそらく江戸時代に建設されたものだろう。
 かつて熊谷市には農業用水路を中心に数多くの石橋が架けられていた。
 それを示す石橋供養塔も数多く残っている。
 なお、現在の清水橋が架けられた頃、この付近は大里郡佐谷田村(さやだ)だった。
 大正時代に設置された佐谷田村の道路元標は今も残っている。

 清水橋  ←清水橋(右岸上流から)
 国道125号線の旧道に架かる橋。
 
忍川の管理起点から1Km下流に位置する。
 この地点には埼玉県の水防情報システムの
 平戸観測局が設置されている。

 清水橋は老朽化が激しく、欄干の所々で鉄筋が、
 露出している。コンクリートのかぶり厚が小さいのだろう。
 建設年は不明だが、形式と仕上げが本庄市の若泉公園の
 橋梁(
清水橋無名橋)とよく似ていることから、
 戦前の施工ではないかと思われる。
 この橋も
元荒川支派川改修事業で建設されたものだろう。

 橋の周辺には懐かしい風景が残っている。
 忍川の護岸は上流側が、凝灰岩の布積み、
 下流側が玉石の練り石積みである。

 親柱
↑親柱
高さ1.35mの角柱(57cm角)。
頂部は笠石風の意匠、
柱の表面には人造石によって、
擬石風の化粧が施されている。

   欄干と桁
  ↑欄干と桁
   欄干の開口部の形状は、ほぼ正方形(50cm)。
   中間部には中柱が設けられている。
   桁の構造はT形はり(6主桁)。
   

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