玉野用水分水堰 (長郷橋)

 所在地:酒巻導水路、埼玉県行田市桜町一丁目〜谷郷一丁目  建設:昭和8年(1933)6月
 長郷橋:コンクリート橋(T形桁3径間連続 or 3連アーチ) 長さ 8.1m、有効幅 6.0m(建設当初から約2m拡幅されている)

 併設された長郷橋  併設された長郷橋(右岸下流から)
 長郷橋の名称は、長野の、谷郷のに由来すると
 思われるが、昭和8年の竣功当初から、この名称だったのかは、
 はっきりしない。元荒川上流土地改良区が所蔵する、
 酒巻導水路 施設引継書には、堰上橋梁と記されている。

 長郷橋は、昭和41年に下流側へ約2m拡幅されている。
 橋面に見られるコンクリート打ち継ぎ目は、その時の跡だろう。
 下流側の親柱(幅35cm×45cm、高さ100cm)と
 欄干(高さ80cm)は、その時に新築されたもの。

 玉野用水分水堰
 玉野用水分水堰
 堰の翼壁は曲面施工されていて、水路の側壁へ見事に
 摺り付いている。堰の周辺に設けられた柵(コンクリート柱と
 鋼管で構成)は、建設当初のものだと思われる。
 右岸の翼壁には竣功銘板が現存する。

   分水堰の柱と長郷橋の桁
   分水堰の柱と長郷橋の桁
   堰柱の天端には、渦巻き状の装飾が施されている。
   長郷橋の主桁(3本)は、分水堰の堰柱の上に置かれ、
   桁側面の形状は、3連アーチ。
   元荒川支派川改修事業で建設された堰に顕著な形式である。
   
斎条堰(星川から酒巻導水路へ分水する堰)もほぼ同じ。

追補:玉野用水分水堰は土木学会の[日本の近代土木遺産]に選定された。
 →日本の近代土木遺産のオンライン改訂版、書籍版は日本の近代土木遺産(土木学会、丸善、2005)。


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