安谷川橋梁

 所在地:安谷川、埼玉県秩父郡荒川村上田野〜日野  秩父鉄道の武州中川駅と武州日野駅の間
 形式:上路トラス(バルチモア・トラス、1連、桁長約80m)、コンクリート橋台  建設:昭和5年(1930)

 安谷川橋梁
↑安谷川橋梁 (下流右岸から)
 荒川中学校入口交差点(国道140号線)から
 南東へ200mの地点、安谷川に架かる。
 安谷川は荒川の支流、ここから400m下流で
 荒川の右岸へ合流する。
 安谷川の景観は下流部も渓谷となっている。
 安谷川橋梁から100m下流に架かる
安谷橋(大正12年)も
 上路トラスであり、安谷川の下流部には2基続けて
 古い形式のトラスが架けられている。

  安谷川橋梁
 ↑安谷川橋梁 (上流右岸から)
  中央径間が上路トラス(バルチモア)、側径間は上路プレートガーダー。
  安谷川橋梁は、昭和5年に秩父鉄道が三峰口まで
  伸延した時に架けられたのだが、使われているトラスは
  バルチモア(ボルチモア)・トラスであり、当時としては形式が古い。
  このトラスは転用桁で、国鉄の磐越西線で使われていたものが
  秩父鉄道に払い下げられた(秩父鉄道五十年史、p.23)。
  このトラスはアメリカン・ブリッジ・カンパニーが1913年に製造した。
  ここから3.5km東にある浦山川橋梁にも、安谷川橋梁と同様に
  磐越西線から転用されたバルチモア・トラスが使われている。


 
↑安谷川橋梁 (下流から)
 安谷川は渓谷となって流れている。
 安谷川橋梁は川底から高さ40m近くに
 架けられている。

   
バルチモア・トラス
  ↑バルチモア・トラス
   格点(ピン結合)に垂直部材を配した珍しいトラス。
   プラット・トラスに似ているが、部材配置はより複雑になっている。
   

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