吉根樋管

 所在地:坂戸市萱方(かやがた)、高麗川右岸  建設:1898年

  長さ 高さ 天端幅 翼壁長 袖壁長 通水断面 ゲート その他 寸法の単位はm
巻尺または歩測による
*は推定値
川表 10* 1.1 1.1     箱0.55 鋼製  
川裏 0.9 0.5  

 吉根樋管は高麗川の中流部(万年橋の上流200m)に位置する煉瓦造りの樋門で、
 右岸から農業用水を取水している。五号堰水理組合が管理。
 現施設は明治31年(1898)に、入間郡大家村が県税の補助と埼玉県の技術指導を得て、
 大家村大字萱方に建造したもの。大家村の道路元標は今も残っている。
 樋管長 5間(約9m)、内法幅 1尺9寸(約0.57m)、内法高 1尺5寸(約0.45m)、
 使用煉瓦数3,800個(一等煉瓦)の小規模な煉瓦樋管である。
 工事工程(予定)は、明治34年2月20日に起工、同年3月30日に竣功であった(埼玉県行政文書 明2440-25)

川表
↑川表 (左岸から)
川表はコンクリートで全面改修されている。
手前は高麗川五号堰。
   吉根樋管(川裏)
   ↑吉根樋管(川裏)
    樋門の本体(埋設部分)は煉瓦造りのままのようだ。
    この付近では高麗川の流路は左右に大きく蛇行していて、
    河川敷には広範囲に樹木が茂っている。

 川裏のアップ
 ←川裏のアップ

 面壁天端には黒っぽい色の煉瓦が使われている。
 
横黒・鼻黒煉瓦であろうか。
 面壁にも数個だが黒っぽい色の煉瓦が確認できる。
 翼壁部は損傷が激しい。
 形式は箱型樋管で甲蓋(通水断面の上蓋)は石材。
 甲蓋は銘板を兼ねているようで、なにやら文字が
 刻まれているようだが、磨耗が激しく読み取れない。

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