須戸橋

 場所:見沼代用水、埼玉県行田市(ぎょうだ)小針〜下須戸
 形式:鉄筋コンクリート桁橋(T形梁、2スパン) 全長約22m(歩測)、幅5.4m  建設:昭和5年(1930)?

 須戸橋  ←須戸橋(下流から)
 国道125号線の須戸橋の旧橋。
 新しい橋(昭和36年3月竣工)に隣接して架けられている。
 現在は見沼代用水(星川)の流路は、須戸橋の上流側で
 緩やかな蛇行が終了して、下流側は直線となっているが、
 この橋が建設された頃は、下流側は東へ大きく蛇行していたという。
 小針地区と下須戸の字界を地図で見てみると、当時の蛇行の
 形跡が確認できる。大正初期頃まで見沼代用水では舟運が
 行なわれていたが、須戸橋の付近には見沼通船会社の
 第一行田分社(河岸)が設けられていた(注)

 本橋は桁の継目にフィラーが挿入されている等、
 部分的に改築(補修?)されているようだが、
 建設当初の形態が保存されていて、状態も良い。
 昭和初期のレトロモダンな造形美を堪能できる。
 橋の表面には人造石によって、擬石風の化粧が施されている。

 親柱
↑親柱
 断面0.46×0.52m、
 高さ2.6mの巨大な親柱。
 オベリスク風のデザインである。
 頂部に見える穴と金具は、
 橋灯が付けられていた跡。

   桁側面から
  ↑桁側面から
   欄干の高さは0.95m。開口部の形状は、ほろ形(高さ0.52m、幅0.6m)で、
   深く面取りされているのが特徴。
   橋詰の袖柱(高さ0.6m、長さ2.4m)は、直線ではなく
   曲線でデザインされている。
   橋台の端部も袖柱に合わせて曲線となっている。

(注)武蔵国郡村誌(明治9年の調査を基に編纂)の埼玉郡下須戸村(12巻、p.209)に、
  ”十石積荷船
 三艘”とあることから、河岸場の規模はあまり大きくなかったことがわかる。
  十石積の船とは米俵(60Kg)が25俵積めるものであり、全長が4m程度の小型船である。
  なお、前掲書には明治時代初期の須戸橋の様子も記されている。
  ”須戸橋:行田道に属し村の西南
 見沼代用水の中流に架す 長十二間巾二間 土造”
  長さ十二間(約21.6m)、巾二間(約3.6m)の土橋(木造の橋で通路には土を盛って舗装)なので、
  現在の橋と規模的には大差ない。


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