元荒川橋梁(遺構)

 所在地:埼玉県越谷市大沢一丁目〜越ヶ谷本町、元荒川
 形式:ポーナル型プレートガーダー橋、煉瓦橋台  建設年:明治32年(1899)

元荒川橋梁に併設された歩行者専用橋

 ←元荒川橋梁(写真奥)に併設された歩行者専用橋
 上流左岸から撮影。この歩行者専用橋の外観は
 まるで下路プレートガーダー橋だ。
 元荒川橋梁は、東武伊勢崎線の北越谷駅と
 越谷駅の間に位置する。伊勢崎線の
 この区間は、明治32年に単線として開通した。
 開通と同時に建設されたのが旧元荒川橋梁である。
 旧元荒川橋梁は平成4年(1992)に、現在の元荒川橋梁が
 建設されるまで、実に93年間も使われた。
 旧元荒川橋梁の遺構(ポーナル形のガーダーと銘板)は、
 貴重な産業遺産であるとして、歩行者専用橋の一部に
 生まれ変わり、越谷市によって保存されている。 
 なお、橋脚(煉瓦造りで隅石貼り)の一部は、越谷駅の
 コンコースに展示されている(壁に埋め込まれている)。
 使われている煉瓦は
日本煉瓦製造の製品である。
 東武鉄道百年史、東武鉄道株式会社、1998のp.93には
 旧元荒川橋梁の建設工事写真が掲載されている。

 ポーナル桁
↑ポーナル桁(イギリス系)
 歩行者専用橋の中央部には、テラスが設けられていて、
 元荒川の上流に向かって張り出している。この部分の
 ガーダーが旧元荒川橋梁で使われていたもの。
 ポーナル型のプレートガーダー(桁高は75cm)であり、
 明治初期の鉄道橋に特有な形式だ。
 補剛材の端が、Jの形になっているのが特徴である。

   ポーナル桁の銘板
  ↑ポーナル桁の銘板
   テラス部分の通路側のガーダーに、越谷市の説明板と
   共に取り付けられている。
   THE BRANDON,
   BRIDGE-BUILDING CoLD.
     B.R.Co.
     JAPAN.
   MOTHERWELL,N.B.1897.
  英国、マザーウェルのブランドンという会社が1897年に
  製造した桁である。この銘板とまったく同じ物が
  
備前堀川橋梁(埼玉県南埼玉郡宮代町)にも付けられている。

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