北河原用水元圦 (その2)
埼玉県の煉瓦造り樋門の特徴として、呑口と吐口でアーチの数が異なる形態の樋門が
数多く建設されたことが挙げられる。文献1によると、10数基が建設されたようである。
しかし、現存するのは、北河原用水元圦を含めて、以下の4基のみである。
◇ 三間樋(騎西町、呑口3連、吐口1連、完全な形で現存するが、地中に埋設)
◇ 三軒家樋管(川越市、呑口1連、吐口2連)
◇ 弐郷半領猿又閘門(東京都葛飾区、呑口4連、吐口6連、埼玉県が建設)
↑呑み口のアーチ(上流側) 2連アーチで、アーチリングは3重の巻き立て(小口縦)。 水切り(柱)とゲートの戸当りは、石で作られている。 ゲートの戸当りが、こういう形状をしている例は、 埼玉県の煉瓦樋門ではあまりない。 |
↑吐き口のアーチ(下流側) アーチリングは4重の巻き立て(小口縦)。 中央の3列は竪積み(長手と小口の組み合わせ)。 (普通煉瓦と七五煉瓦を使ったフランス積み) 下流側の銘板には竣工年が刻まれている。 |
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