江川落 (その1) (その2

 撮影地:埼玉県北埼玉郡南河原村、行田市

 江川落は延長約4.5Kmの農業排水路。南河原村南河原付近を起点とし、概ね行田市との境界に
 沿って東へ向かって流れ、南河原村犬塚〜行田市斎条で流路を南へ変え、
 最後は南河原村馬見塚〜行田市斎条で星川の左岸へ合流する。
 江川堀には主に北河原用水の流末が流れ込んでいる。

 武蔵国郡村誌(明治9年の編纂)の埼玉郡犬塚村(13巻、p.292)には、
 ”江川堀:深五尺巾五間
 村の西北南河原村界より来り 北東の境を囲撓し南方に出て
 斎条村の界にて星川の下流に入る
 長二十八町 全村の悪水を流下す”とある。
 巾五間(約9m)とかなり広いが、同村に架かる橋の仕様が、米九斗橋が長五間、
 堰上橋が長二間と記述されているので、囲撓(頻繁に蛇行している)だけでなく、
 川幅も広い箇所と狭い箇所が混在していたようだ。

 江川落の起点付近
(1)江川落の起点付近(上流から) 南河原村南河原
 JA南河原から北西へ200mの付近。3つの排水路が
 合流して、1つの流れとなる。武蔵国郡村誌の南河原村
 (13巻、p.251)には、上中条村から流れて来る西田堀、
 新田堀の流末が江川堀に落とされているとある。
   諏訪神社の付近
  (2)諏訪神社の付近(下流から) 南河原村南河原
   写真(1)から600m下流、江川落は県道172号線の下を横断する。
   横断地点の上流では左岸へ南河原村の中心部から流れて
   来る小排水路が合流している。横断地点には流量調節堰
   (ゲート幅1.4m)が設けられている。

 県道172号線の横断直後
(3)県道172号線の横断直後(上流から) 南河原村南河原
 写真(2)の地点を西側から撮影。水路の規模は大きくなり
 天端幅は3.5m、深さは2.0m。護岸は貼りブロックへと変わる
 昭和40年代に架け替えられたものが多いので、その時に
 水路の改修が実施されたのだろう。

   
酒巻導水路を横断
  (4)酒巻導水路を横断(下流から)
   右岸:南河原村犬塚、左岸:行田市酒巻
   写真(3)から1.1Km下流。江川落樋管で
酒巻導水路の下を
   横断している。通水しきれない余水は酒巻導水路へ放流される。
   酒巻導水路の横断後は江川落の水路幅は約3mと狭くなる。

 曲がりくねった流路



 (5)曲がりくねった流路(上流から)
 左岸:行田市酒巻、右岸:南河原村犬塚
 写真(4)から700m下流。ここまで江川落は東へ向かって
 流れて来たが、流路はこの付近から南へと向かう。
 江川落の右岸に沿って、曲がりくねった農道が
 続いている。

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