府川橋

 場所:伊佐沼代用水路、埼玉県川越市府川
 形式:コンクリート桁橋(1スパン)、長さ 9.3m、幅 10m(歩測) 建設:不明

 府川橋  ←府川橋 (上流から)
 釘無橋(入間川、県道12号川越栗橋線)の真下に
 位置する橋。付近の入間川右岸堤防の裾には宝暦と
 嘉永年間に建立された馬頭観音が祀られている。
 府川橋の建設年は不明だが、昭和9年〜13年にかけて
 実施された県営の伊佐沼代用水路改修事業によって
 建設された可能性が高い。
 アーチが連続する欄干(高さ77cm)開口部の意匠は、
 昭和初期建設の橋梁で流行った様式である。
 近隣の
田谷橋(新河岸川、川越市宮元町)と似た欄干だが、
 府川橋の開口部にはφ22の鉄棒が7本嵌め込まれている。
 またアーチの直径は約80cmで、アーチ形状は半円に近い。
 府川橋は建設当初からは拡幅されていて(建設当初の幅は
 約6.4mと推定される)、下流側の欄干は新しいものに
 換えられている。桁の形式はT形はり。

 親柱と袖柱


 ←親柱と袖柱(上流側)
 上流側には竣工当初の親柱と袖柱が残っている。
 袖柱の柵にはφ60の鋼管が使われている。
 親柱は高さ 91cm、一辺50cmの角柱。
 表面には人工石風の化粧が施され、頂部には八角形の
 薄い笠石(コンクリート製)が2つ置かれている。
 
曝井橋(さらしい、枌木川、埼玉県児玉郡美里町)と
 似た様式である。銘板は石材で寸法は38×22cm。

 府川橋が建設された当時、この付近は入間郡山田村だった。
 山田村は昭和30年に川越市と合併して消滅してしまったが、
 
山田村の道路元標は今も残っている。

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