観音寺橋

 場所:城沼落排水路、埼玉県羽生市東二丁目〜三丁目
 形式:コンクリート桁橋(1スパン) 全長 6.4m、幅員 7.2m(歩測)  竣工:昭和15年(1940)10月

 観音寺橋  ←観音寺橋 (上流から)
 羽生北小学校から東へ200m、市道が
城沼落排水路
 横断する地点に架かる斜橋(橋軸が河川に対して斜め)。
 城沼落排水路は羽生市西地区から流れて来る都市排水路で、
 ここから100m上流では
葛西用水路を伏越している(城沼伏越)。
 観音寺橋から1.7Km下流で中川の左岸へ合流する。
 橋の名称は、この付近の小字名が観音寺前であることに
 由来すると思われる。城沼伏越の別名は観音寺圦であった。
 なお、武蔵国郡村誌の羽生町(13巻、p.69)には
 観音寺は廃寺と記されている。
 なお、
北埼玉郡羽生町の道路元標は今も残っている。

 観音寺橋は橋長が短い割には幅員が大きく、
 橋の意匠や仕上げも豪華である。橋の表面は
 コンクリートの打ち放しではなく、モルタルが
 塗られて(厚さ約1cmに塗布)、化粧が施されている。

 欄干
 ←欄干
 欄干は高さが65cm。開口部は長方形で寸法は100×32cm。
 欄干の開口部はフィーレンディール橋(昭和初期の橋梁形式)を
 真似たと思われる四角形。近隣の
上之橋(会の川、加須市、
 1935年竣工)と似た意匠である。
 開口部の内側には曲面を持った柱があり、
 その表面には煉瓦風のタイルが貼られている。
 欄干の端部には銘板(石造:33×11cm)が残っていて、
 橋名と竣工年が記されている。金属製でないのが
 幸いしたようだ(金属だったら戦時中に
 供出されてしまっただろう)。

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