旧変電室

 撮影地: 埼玉県深谷市上敷免(じょうしきめん)

 明治39年頃、建設された日本煉瓦製造の変電室。 - 現地の説明板 -
 我国最初の電力事業は、明治20年(1887)に東京電燈会社が開始したが、
 それは火力発電による給電だった。
 埼玉県内で電気が工場に使用されたのは、明治33年(1900)の
 川口町(現在の川口市)の永瀬鉄工所が最初である(埼玉県行政史
 第二巻、p.168)。
 これは工場内に火力発電所を設置し、動力や照明に利用したもの。
 電力会社による本格的な電力供給事業が始まったのは、明治36年(1903)に
 浦和町(現在のさいたま市)に設立された埼玉電燈によってである。

 変電室
↑変電室
 木造洋館の裏(北西)に位置する。
 煉瓦で作れない部分(窓、ドア)以外は
 全て煉瓦造り。煉瓦の積み方は
小口積み
 使われている煉瓦の平均実測寸法は、
 229×110×60mm(
東京形に相当)。
   変電室の装飾
   ↑変電室の装飾
    窓枠のまわりには異形煉瓦が豊富に使われている。
    (上端は
セグメンタルではなく平行四辺形とクサビ形。
     下端は持ち送り、両脇には面取りした煉瓦)
    屋根のひさし部分は、煉瓦を組み合わせて
    蛇腹(じゃばら:装飾)が施されている。

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