刻印煉瓦 (その2) (その1 その3 その4

 秩父鉄道の武州荒木駅と西羽生駅の間(約3.5Km)には、大正末期に建設された古い鉄道橋が12基も現存する。
 これらの橋は秩父鉄道(旧.上武鉄道)に吸収合併される前の北武鉄道が建設したと思われる。
 橋台に使われている煉瓦には平の面(最も面積の大きい面)に、大阪窯業の刻印が見られる。
 大正5年(1916)に北足立郡草加町(現.埼玉県草加市)で、大阪窯業の東京工場が創業を開始しているので、
 これらはその工場の製品であろう。 刻印は直径15mmの丸の中に漢数字が配置されたもので、
 丸の外側には、3箇所に線が入っている。漢数字は窯の番号ではなく、おそらく職工の識別番号であろう。
 煉瓦の平均実測寸法は、218×107×57mmであったが、日本煉瓦製造の煉瓦に比べると大きさのバラツキが多い。
 なお、煉瓦の平の面には、当時の機械抜き成形に特有な無数のシワシワ模様が見られる。

 
 保井堀橋梁 秩父鉄道、埼玉県行田市荒木
   
   中新田川橋梁 秩父鉄道、埼玉県羽生市上新郷

 
 会の川橋梁 秩父鉄道、埼玉県羽生市上新郷

   
   羽生領用水橋梁 秩父鉄道、羽生市上岩瀬

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