刻印煉瓦 (その4) (その1) (その2) (その3)
常盤園茶舗(埼玉県深谷市仲町)の倉庫には、製造所の異なる2種類の煉瓦が使われている。
外壁上部の煉瓦は日本煉瓦製造の製品だと思われる仕上りの良いものだが、
下部に使われている煉瓦は、明らかに手抜きで成形されたものである。
常盤園茶舗の倉庫は明治時代末期に煉瓦造りで改築されたようなので、下部に使われている煉瓦は、
藤田煉瓦製造株式会社(明治41年創業、児玉郡藤田村滝瀬、現.本庄市)の製品であろうか。
下部の煉瓦の平均実測寸法は、223×98×55mmであるが、形と色が不均一であり、
特に長手の寸法は214〜231mmと非常にバラツキが大きい。
そして、煉瓦の小口面に刻印が見られる。直径15mmの円の中にひらがな又はカタカナの一文字が
印されている。これは、おそらく窯か職工を識別するための記号であろう。
カタカナのム |
ひらがなのり |
カタカナのル |
カタカナのワ(刻印の脇には指紋も押下されている!) |