南方用水 (その2) (その1)
撮影地:埼玉県加須市
(1)不動岡公園の付近(上流から) 左岸:加須市不動岡、右岸:不動岡二丁目 不動岡公園(注)の区間だけ、南方用水の水路断面は 台形になり、水路の側壁も親水護岸風に変わる。 不動岡公園の周辺には、不動岡幼稚園の脇と 県道366号線の脇に2体の石橋供養塔が祀られている。 南方用水路に架けられていた石橋に関するものだろう。 |
(2)不動岡高校の付近(下流から) 加須市不動岡 写真(1)から900m下流。写真の左上に見えるのが、 県立不動岡高校。埼玉県で最も創立年が古い高校だそうだ。 不動岡高校の東側の右岸には安永五年(1776)建立の六地蔵、 寛政八年(1796)建立の地蔵など3体が祀られている。 南方用水路は歴史の古い用水路なので、沿線には古い石仏が 数多く残っている。道祖神や道標なども多い。 |
(3)諏訪公園の付近(上流から) 左岸:加須市下三俣、右岸:諏訪一丁目 写真(2)から500m下流。水路幅は1.2mと狭くなり、加須市の 住宅地の中を流れる。この付近には石橋も架けられている。 |
(4)加須市役所脇の馬頭観音群(左岸) 加須市下三俣 写真(3)から400m下流。南方用水は加須市役所の南側を 流れるが、そこには5基の馬頭観音が祀られている。 分散していたものを、一箇所に集めたものだろう。 |
(5)排水専用区間(上流から) 加須市北小浜〜多門寺 写真(4)から1.7Km下流。ここから下流には、 もう分水工はなく、排水専用となる。ちなみに筆者が 確認した最後の分水工は46号分水工である。 |
(6)南方用水の終点(下流から) 加須市北篠崎〜南篠崎 写真(5)から900m下流。南方用水路は東北自動車道の 西側の側道に沿って流れ、最後は会の川の左岸へ合流する。 合流直前には流量調節のためのゲートが設置されている。 写真は合流地点のカルバート。手前が会の川の左岸である。 |
(注)不動岡公園は住宅地の中に設けられた周囲長が約700mの閑静な公園で、
園内には市立図書館が設けられている。市民の憩いの場となっている。
公園の東側に面した県道366号線は、かつての大越川岸道であり、
不動岡村から利根川の大越河岸へ繋がる重要な街道だった。
現在、不動岡公園にある庚申塔は道標を兼ねていて、さつて、くりはし等と
記されているので、本来は大越川岸道に設けられていたのを移設したのだろう。
なお、不動岡公園の南側には総願寺(不動ケ岡不動尊)が隣接しているが、
その付近には渋沢栄一来訪記念碑や天保十四年(1843)建立の
松尾芭蕉の追善句碑など、興味深い史跡がある。
句碑には芭蕉の”曙ゆくや 廿七夜も 三日の月”が刻まれている。