武蔵水路への流入施設

 武蔵水路は、普段は利根川から荒川へ都市用水や浄化用水を運んでいるが、
 洪水時には利根川からの送水は停止される。そして以下の施設のゲートが開放され、
 近隣市町村の洪水(雨水)が武蔵水路へ導水される。

施設名 場所

流域

始点から

 流入施設の名称は、流域の洪水を武蔵水路へと
 放流することから、放流口(工)となっている。
 そして武蔵水路に導水された洪水は荒川へ送られる。
 このように洪水時には、武蔵水路は放水路の機能を果たす。

 武蔵水路は北から南へと流れているが、沿線の地形は
 西から東へと低くなっているので、流入施設は武蔵水路の
 右岸(西側)に設置されている。ただし放流口のゲート操作は
 人力なので操作が遅れると、武蔵水路の右岸側は湛水する。
 →旧忍川放流口の操作遅れによって、
湖面と化した行田市長野地区

長野落放流口 行田市富士見町 野通川 3.8Km
八号放流口     〃 5.0
旧忍川放流口 行田市長野 忍川 6.4
武蔵水路放流工 行田市佐間(さま) 7.0
堤根放流口 行田市堤根(つつみね) 8.6

(注)武蔵水路は行田市の区間では工業団地の中を横断しているが、武蔵水路には
  工場排水や生活排水は流入していない。武蔵水路経由で荒川に注がれるのは、
  上述の洪水流(雨水)を除けば、利根大堰で取水した水のみである(首都圏の皆さん、ご安心を(^^)v)

 長野落放流口
↑長野落放流口(下流から) 芝原橋の上流にある。
 鋼製スルースゲート(幅2.2m、高さ2m?)。
 
長野落(農業用悪水路)の余水吐としても機能している。
 この施設の上流では長野落が武蔵水路の下を
 伏せ越しで横断している。
   旧忍川放流口
  ↑旧忍川放流口(下流から) 聖天木橋の上流にある。
   吾妻耕地(行田中学校から行田警察署の間に広がる水田)からの
   雨水は
旧忍川(流域は野通川に属す)へ排水されているが、大雨の時に
   旧忍川へ排水しきれない分は、この施設から武蔵水路へ放流される。
   この下流では、旧忍川が武蔵水路の下を伏越で横断している。  

八号放流口
↑八号放流口(左岸から)
 富士見橋の上流にある。流域の
 宅地化が進行しているからだろう、
 呑み口には除塵機と排水機(ポンプ)が
 併設されている。

  武蔵水路放流工
 ↑武蔵水路放流工 (武蔵水路の左岸から)
  野合新橋(県道77号線)と元成田橋の中間にある。
  洪水時、
忍川(おしかわ:中川水系の一級河川)が増水し、
  溢れそうになった場合に、忍川の水を武蔵水路へ
  放流するための水路(長さ約100m、幅約15m)。
  放流水路は忍川の佐間水門(写真上部)を経て、
  約45度の角度で武蔵水路へ流入している。
  佐間水門のゲートは、常時は閉ざされているが、
  洪水時には開放される(遠隔操作だと思われる)。
  流入地点には県道306号線の相生橋(写真中央)が
  架かる。写真の手前(東側)には、
さきたま古墳群が広がる。

  堤根放流口
 ↑堤根放流口(左岸から)
  堤根新橋の上流にある。忍川流域の
  下流端に設置されている。ここよりも
  下流は元荒川の流域となる。

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