葛西親水公園 (かさい  しんすいこうえん)  [葛西用水のページ一覧

 
葛西用水の元圦(取水口)は利根川の右岸堤防に設けられていたが、利根大堰が
 完成したことにより、見沼代用水や羽生領用水などと合口(取水口を一箇所にまとめること)された。
 約300年使われた元圦の跡は、羽生市の指定文化財であり、親水公園として整備されている。
 ただし、利根川の右岸堤防は昭和30年代に引提工事がなされているので、葛西用水の元圦は
 現在あるオブジェからもっと北に位置し、跡地は今は利根川の河川敷となっている。

 所在地:羽生市本川俣   (注)本ページの画像は、OLYMPUS CAMEDIA C-2000Z(211万画素)で撮影しました。
 葛西親水公園     葛西用水元圦跡之碑  ←葛西用水元圦跡之碑
  後ろは、利根川の右岸堤防。
  堤防天端には、
  
利根サイクリングロード
  整備されている。
 ←葛西親水公園
  利根川の右岸堤防から撮影。
  かつての葛西用水は手前から奥へと流れていた。
  現在の葛西用水は、埼玉用水路から分流した後、
  写真の一番上の橋(こりゅう橋)付近に右側から流入する。

  埼玉用水路は、上から二番目の橋(稲田橋)の
  脇に設けられた水路橋(葛西水路橋)によって、
  右から左へと流れる。
  葛西水路橋の下には、明治時代に建設された旧施設である、
  
北方用水掛渡樋の遺構(煉瓦造りの橋台)が現存する。

 旧・葛西用水の跡
↑旧・葛西用水の跡(下流から)
 葛西用水は、利根川の右岸堤防に元圦を設けて、
 自然流入方式(取水堰なし)で取水していた。
 
利根大堰の完成(1968年)によって元圦は廃止となった。
 利根川の右岸から取水していた
見沼代用水の元圦、
 
羽生領用水の川俣圦(この地点から2Km上流)と
 稲子圦(この地点から下流1Km)、
川辺領用水
 元圦(大利根町、埼玉大橋付近)も利根大堰の竣工に
 伴い、全て廃止となった。それらは全てレンガ造りだった。

   元圦(旧取水口) の復刻
  ↑元圦(旧取水口) の復刻
   明治27年(1894)建設のレンガ造りの樋管を復元したもの。
   とはいっても、吐き口側しかなく、本体はコンクリート製で
   表面はタイル張り。面壁のみで翼壁がない。葛西用水の元圦は
   呑口が4連、吐き口は1連のアーチだったので、これとはまったく違う形式だ。
   なお、
呑口と吐き口の門数が異なるのは埼玉県の煉瓦樋門のみの
   独特な形式である。葛西用水元圦の下流にあった稲子圦(羽生領用水、
   1907年にレンガ造りで改修)も撤去され、跡地には碑が建てられている。
   元圦跡の周辺には東武伊勢崎線の
煉瓦構造物も数多く残っている。

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