刀水橋 (とうすいばし)

 撮影地:利根川、左岸:群馬県太田市古戸〜右岸:埼玉県大里郡妻沼町(めぬま)妻沼
 
形式:下路式アーチ橋、長さ810m、幅15m、13スパン(左岸から鋼箱桁4連+鋼ランガー3連+鋼箱桁6連)

 国道407号線が利根川を横断する地点に架かる橋。昭和46年(1971)建設。
 橋名の刀水とは利根川の別名である。この地には、新田義貞が鎌倉幕府を攻めて
 凱旋帰国する途中、利根川で刀を洗ったという伝承があるという。
 明治17年(1884)に船橋(河道に船を並べて、その上に板を置いた仮設橋)が架けられまでは、
 利根川の渡河は渡し(渡船)に頼っていた。これは妻沼の渡し、古戸の渡しと呼ばれていた。

 刀水橋
↑刀水橋(左岸上流から)
 刀水橋の上流では利根川の左岸に石田川が合流する。
 手前が石田川、奥が利根川。
 刀水橋の側径間は鋼箱桁だが、左岸が2径間連続、
 右岸が3径間連続桁(ゲルバー式?)となっている。

   刀水橋側道橋
  ↑刀水橋側道橋(左岸から)
   歩行者専用橋の親柱。
   正式名は刀水橋側道橋。
   1989年竣工、幅は約2.5m。

刀水橋(左岸の河川敷から)
↑側道橋と刀水橋(左岸の河川敷から)
 左:歩行者専用橋(ローゼ補剛形式?)、
 右:車道橋(ランガー形式)。
 現在の刀水橋は4代目であり、
 初代は明治17年に架橋された船橋、
 2代目は大正11年に竣工した木の橋(妻沼大橋)。
 3代目の刀水橋(昭和18年竣功)は、この地点の
 上流に架かる
上武大橋坂東大橋と同じ形式の
 曲弦ワーレントラス橋だった(→参考文献)。

  歩行者専用橋から左岸を望む
 ↑歩行者専用橋から左岸を望む
  橋面から水面までは10m以上もある。
  欄干の高さは1.1mあるが、それでも、風が強い時に渡るのは怖そうだ。
  群馬県は、上州のからっ風(冬の強い季節風)で有名だしね。
  3代目の刀水橋は歩行者専用橋のある場所に、
  2代目の妻沼大橋は歩行者専用橋の下流に架けられていた。
  利根川の河道には、3代目の刀水橋のRC橋脚跡、
  妻沼大橋の
木製の橋脚跡が残っている。
  また右岸の橋詰(妻沼町側)には、妻沼大橋の
竣工記念碑も残る。

参考文献:妻沼町誌、妻沼町役場、1977、P.620-629


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