アーチ橋の形式 〜 建設材料で分類  [路面の位置で分類

 錦帯橋

 木: 錦帯橋 (きんたい) 上流から撮影

 錦川(にしき)、山口県岩国市  竣工:1673年
 5スパン、長さ 193m(水平長)、幅 5m、橋脚高 6.6m

 岩国市が世界に誇る奇橋。
 中央の3スパンが、木製のアーチ(迫り持ち式)である。
 側径間(両岸の2スパン)は普通の桁橋(木製)。
 橋脚は石を積んだ重厚なもの。

   錦帯橋の詳細

 馬門橋

 石: 馬門橋 (まかど) 上流から撮影

 都留川、熊本県下益城郡砥用町(ともち)  竣工:1828年
 1スパン、長さ 25.5m、幅 3.1m、高さ 5.9m

 備前(現.岡山県)の石工が、種山石工の本拠地に架けた石橋。
 でも、石の積み方は、種山石工伝統の自然石の乱積み。
 馬門橋は、新旧二層の石組みで作られている。
 (完成した橋の上に新たに石を積み上げてある)

   馬門橋の詳細
 めがね橋  煉瓦: めがね橋 下流から撮影
 旧倉松落、埼玉県春日部市(かすかべ)  竣工:1891年
 4スパン、長さ11.8m、車道幅7.8m(歩測)

 正式名を倉松落大口逆除(くらまつおとし おおぐちさかよけ)といい、
 洪水が大落古利根川から旧倉松落へと逆流してくるのを
 防ぐために、明治24年に建設された水門である。
 埼玉県にはこのような煉瓦水門が数多く現存するが、
 赤煉瓦が使われているものがほとんどで、
 めがね橋のように黒っぽい色の煉瓦は珍しい。
 現在は水門としての役目を終え、道路橋として使われている。
 現存する埼玉県最古の煉瓦造り道路橋ということになる。
  
 めがね橋の詳細
 新佐賀橋  コンクリート: 新佐賀橋 (しんさが) 上流から撮影
 元荒川、埼玉県北足立郡吹上町  竣工:1933年
 1スパン、長さ 15m(歩測)、幅 2.8m、欄干高 0.8m

 昭和初期に行われた元荒川の改修事業によって建設された、
 
橋梁群のうちのひとつ。形式は当時流行の開腹アーチ。
 新佐賀橋の最大の特徴は、過剰ともいえる装飾。
  ◇花びらをモチーフにした欄干のデザイン
  ◇床版側面のデンティル(歯状の装飾)
  ◇アーチ部側面の窪みや突起

 新佐賀橋が建設された時代は、失業対策として時局匡救事業が
 おこなわれた。人力を大量投入する(仕事を創出できる)工事が
 好まれたようだ。 
 新佐賀橋の詳細
 ふれあい橋  鋼材 ふれあい橋 下流から撮影
 利根運河、千葉県野田市  竣工:?年
 1スパン、下路式、ローゼ補剛アーチ?(歩行者専用橋)

 利根運河に架かる運河橋(県道5号)に併設された歩行者専用橋。
 写真左には、東京理科大 野田キャンパスがある。
 下流側には運河水辺公園が位置するので、
 景観を考慮して下路式アーチが採用されたのであろう。
 でも、橋の名前は陳腐すぎる...

 鋼材を使った橋には、保守のための再塗装という欠点がある。
 反面これは、他の材料の橋では不可能な、橋の色を自由に
 選択できるという、デザインに関する最大の利点でもある。

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