利根川橋梁 (東武鉄道 伊勢崎線)
所在地:利根川、左岸:群馬県邑楽郡明和町梅原、右岸:埼玉県羽生市(はにゅう)本川俣
形式:ワーレントラス橋(下路、平行弦)、長さ約660m、下り線:下路鋼桁1連+トラス10連、上り線:トラス7連
利根川橋梁は、東武伊勢崎線の鉄道橋。最初の橋は明治40年に建設された。
形式は曲弦プラットトラスで、橋脚は煉瓦造りで隅石が貼られたものであった。
その後の複線化に伴い、現在は上りと下りの2つのトラス橋が架けられている。
利根川橋梁は、田山花袋が大正8年に発表した小説「再び草の野に」の準主役である。
この小説は、大河の縁の鄙びた村に鉄道の終着駅が作られ、束の間の繁栄をするが、
鉄橋が完成したためにその駅が廃止されてしまい、また元の状態に戻るまでを、詩情豊かに描いた作品である。
作品中、T川(利根川)の鉄橋と記されたのが利根川橋梁、その進捗を通して世情と時間の推移が表されている。
トラス(鉄の橋桁)をトロッコを使って人力で運搬する様子や橋脚の煉瓦を積む様子などが、
当時の世相とともに丹念に描写されている。工事を請け負っているのは清水組(現.清水建設か?)。
←利根川橋梁 (右岸堤防の上流から) 手前が下り線、奥が上り線。 (ともに単線で並列する) 上りと下りでは橋脚の形が違っている。 上り線のトラスは利根川の中央部のみ高い。 |
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↑下り線と上り線 (右岸から) |
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