石の橋 (その10)   [石橋の一覧

清水川橋  清水川橋(遺構)

 清水川、埼玉県深谷市血洗島
 形式: 石橋(1スパン)? 長さ 3.0m
 竣工:明治38年(1905)5月

 血洗島の鎮守社である諏訪神社の境内には
 3本の大きな石材(花崗岩2、安山岩1)が
 置かれている。花崗岩は橋の欄干であり、
 側面には橋名と竣工年が刻まれている。
 ここから北へ300mを流れる清水川(
小山川の支川)に
 架けられていた石橋のものである。
 長さ305cm、高さ45cm、厚さ30cm。
 なお、諏訪神社の拝殿は地元出身の実業家、
 
渋沢栄一が大正5年(1916)に寄進造営したものだそうだ。

名称不明  名称不明(遺構)

 足立一号用水路、埼玉県北足立郡吹上町南一丁目(上流から)
 形式: 石の桁橋(1スパン) 長さ1.4m(推定)、幅 m
 竣工:明治34年(1901)3月

 吹上町郷土資料館の西側100m、富士電機の工場の脇に残る。
 石橋の欄干部分だと思われる。幅118cm、厚さ18cmの
 石材が埋められていて、地上に19cm突出している。
 足立一号用水路は
榎戸堰(元荒川)から取水する農業用水路。
 この石橋が架けられた頃に榎戸堰と取水樋門は木造から
 煉瓦造へと改良されている。

天神橋  天神橋(遺構)

 旧中山道、埼玉県さいたま市北区宮原四丁目
 形式: 石の桁橋(1スパン) 長さ1.7m(推定)、幅m
 竣工:明治27年(1894)?

 旧中山道の天神橋バス停の脇に置かれている。
 昭和初期まで、この地点に架けられていた石橋の遺構(注)
 石材の大きさは
150×36×22cm(欄干だろうか)、
 側面には竣工年が彫られている。道路の反対側には
 天神橋と彫られた同様の石材も残されている。
 橋名はすぐ近くにある天神社に由来するのだろう。
 江戸時代の中期以降、街道の整備が進むと、
 小溝が中山道を横断する地点には、天神橋のような
 小さな石橋が数多く架けられたようである。
 なお、この地点から600m南には
 宝暦九年(1759)建立の
橋供養塔が祀られている。

名称不明(遺構)  名称不明(遺構)

 鴨川(左岸)、埼玉県さいたま市大宮区三橋四丁目
 形式: 石の桁橋(1スパン?)
 竣工:明和6年(1769)

 大宮西高の南側、茶臼塚古墳の脇に
 ある。関沼(鴨川の溜井)から取水して
 いた農業用水路に架かっていた石橋の桁。
 154p,36p,21p
 写真上の石桁には、明和6年(1769)十一月
 石橋建立 足立郡側海斗村観音講中とあり、
 15人の氏名が刻まれている。
 下の石桁には文化9年(1812)の銘がある。

(注)武蔵国郡村誌(明治9年の調査を基に編纂)の
 足立郡加茂宮村(2巻、p.405)に天神橋の記述がある。
 ”天神橋:中山道に属し村の中央
 島屋福島屋の前 悪水溝に架す 長六尺三寸巾二間”
 悪水溝とは排水路のことである。橋の長さが六尺三寸(約1.9m)なので、
 現存する石材(欄干部分)の大きさと合致する。


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