石の橋 (その11)   [石橋の一覧

やじま橋  やじま橋
 古隅田川、埼玉県春日部市南中曽根262付近

 石の桁橋、3スパン
 長さ5.5m、幅2.0m 元文二年(1737)竣工

 やじま橋は、ここから200m南の地点(春日部市南中曽根と岩槻市小溝)、
 古隅田川へ山城堀が合流する付近に架けられていた。
 橋の架け替えに伴い、現在は豊春中学校の北側の
 古隅田公園(古隅田川の堤防跡を公園化したもの)へ移築されている。
 やじま橋の橋面には長さ180cm、幅32cmの石材が
 1スパンに6枚ずつ、計18枚並べられている。
 武蔵国郡村誌(明治9年の調査を基に編纂)の
 埼玉郡中曽根村(12巻、p.57)に、”矢島橋:岩槻道に属し村の西方
 古隅田川の中流に架す
 長三間巾二間 石造”と記されている。
 長さ5.4m、幅3.6mの石橋である。なお、ここから700m北東の
 満蔵寺には、文政十一年(1828)建立の
石橋供養塔が祀られている。

名称不明  名称不明
 古隅田川の支川、埼玉県岩槻市徳力818付近

 下流から
 石の桁橋、1スパン
 長さ1.5m、幅1.4m  宝暦十年(1760)三月竣工

 この石橋は、岩槻市徳力と春日部市道口蛭田の境界付近、
 古隅田川の左岸から100m北西の地点にある堀に架かっている。
 この橋の東側では現在、上院調節池の建設工事が進められている。
 4枚の石材(長さ153cm、幅40cm、厚さ23cm)を
 並べただけの素朴な桁橋である。
 ただし、下流側の一枚は当初からのものではなく、
 後日、追加されたもので、石材は花崗岩である。
 桁の側面に宝暦十年三月吉日 施主当村新井新右衛門と
 刻まれているそうだ(→岩槻市史 金石資料編2、p.774)

厳島神社の神橋  厳島神社の神橋
 埼玉県北本市高尾八丁目

 石の桁橋、3スパン
 長さ4.2m、幅0.85m  宝暦六年(1756)九月竣工

 この石橋は厳島神社(弁財天が祀られた中島)への
 参拝橋である。付近は荒川の左岸に位置する段丘であり、
 谷地と斜面林が広範囲に分布している。
 高尾宮岡の景観地として、埼玉県の緑のトラスト保全8号地に
 指定されている。この橋の構造は、やじま橋とほぼ同じである。
 橋面には長さ130cm、幅36cmの石材が1スパンに3枚ずつ
 計9枚並べられている。欄干(高さ35cm)と親柱(高さ48cm)も
 石造りであり、親柱には俳句が刻まれている。
 →
この付近の荒川

不動堂の神橋  不動堂の神橋
 埼玉県朝霞市岡二丁目、東円寺

 石の桁橋、1スパン
 長さ0.9m、幅2.4m  弘化三年(1846)七月竣工

 この石橋は東円寺にある不動堂への参拝橋である。
 付近は黒目川の右岸に位置する台地であり、
 谷地と斜面林が広範囲に分布している。
 この橋の構造は、単純な桁橋であり、橋面には
 長さ90cm、幅20cmの石材が11枚並べられている。
 欄干(高さ33cm)と親柱(高さ44cm)も
 石造りであり、親柱(一辺16cmの角柱)の
 正面には
石橋供養塔と刻まれている。

戻る:[橋のメニュー] [石の橋1][石の橋2][石の橋3][石の橋4][石の橋5][石の橋6][石の橋7][石の橋8][石の橋9][石の橋10