会の川橋梁、羽生領用水橋梁

 所在地:埼玉県羽生市上新郷〜上岩瀬  秩父鉄道の新郷駅と西羽生駅の間
 形式:プレートガーダー橋(会の川橋梁)、Iビーム橋(羽生領用水橋梁)  建設年:大正10年(1921)

 これらの橋は、新郷駅の東200mの地点にある。すぐそばには、県道128号が通っている。
 秩父鉄道のこの区間には、他にも農業用排水路を跨ぐ小さな煉瓦造りの橋梁(開渠)が3基ある。
 北武鉄道(上武鉄道に吸収合併され秩父鉄道となった)が、建設した区間の橋梁は、
 煉瓦に日本煉瓦製造(埼玉県深谷市)と大阪窯業(埼玉県草加市)の刻印が確認できるが、
 羽生市内の区間では、大阪窯業の刻印が圧倒的に多い。
 なお、北武鉄道が開通した当時、この付近は会の川を挟んで、左岸は北埼玉郡岩瀬村、
 右岸は北埼玉郡新郷村だった。両村とも昭和29年に羽生町と合併して消滅したが、
 岩瀬村と新郷村の道路元標は今も残っている。

 隣接した2橋  ←隣接した2橋
 左が羽生領用水橋梁、右が会の川橋梁。
 2橋は桁の形式が異なるだけで、
 構造は、まったく同じである。
 橋台に使われている煉瓦は、
機械成形されたもので、
 
大阪窯業の刻印が確認できる。
 おそらく、大阪窯業の東京工場(大正5年創業、
 北足立郡草加町、現.草加市)の製品であろう。
 煉瓦は東武伊勢崎線を使って搬入されたと思われる。
 伊勢崎線の草加〜羽生間は明治36年に開通している。

 羽生領用水橋梁
↑羽生領用水橋梁(上流から)
 スパン長5.5mの
Iビーム橋
 下を流れるのは、南方用水(羽生領用水)

   会の川橋梁
  ↑会の川橋梁(上流から)
   スパン長7.5mの
プレートガーダー橋
   下を流れるのは、かつての利根川、会の川。

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