高麗川の冠水橋 〜 埼玉県の冠水橋分布図 〜
高麗川(こまがわ)は、延長約32Km、流域面積95Km2の荒川水系の一級河川である。
埼玉県の刈場坂峠(秩父郡横瀬町、比企郡都幾川村、飯能市の境)付近を源流とし、
飯能市、日高市、毛呂山町を流れ、坂戸市の上吉田で越辺川(おっぺがわ)に合流する。
主な支川には長沢川、宿谷川、葛川があり、これら3河川はいずれも左岸へ合流している。
高麗川は頻繁に蛇行を繰り返しながら、飯能市の丘陵地帯を南東に流下し、日高市の巾着田付近では、
北東に大きく流路を変えている。高麗川は埼玉県でも有数の、きれいな水が流れる川であり、
BOD値の比較による埼玉の清流ベスト10では、1位(高麗川大橋付近)と3位(天神橋付近)に
入っている(平成13年度 埼玉県環境白書)。
高麗川には、古い取水堰(固定堰)や小さな木の橋(橋面が木製で桁・橋脚は鋼やコンクリート)が数多く見られる。
下流部の坂戸市には、冠水橋(洪水になると水没してしまい、通行不能になる橋:潜水橋、沈下橋)が残っている。
高麗川最下流の2橋:戸口橋と新吉橋(現.北坂戸橋)も1980年頃まで、冠水橋だったようなので、
つい最近まで川のあちこちに潜る橋が架かっていたことになる。
というわけで、高知県の四万十川まで足を運ばなくても、関東近郊で清流と沈下橋が満喫できる。
越辺川の冠水橋は見た目が木造で、四万十川の沈下橋よりもずっと素朴な形態だ。
坂戸市は都心まで40分(東武東上線坂戸駅〜池袋駅間)の通勤圏である。
うらやましい程、素晴らしい環境だ(^^;)。
上述したように高麗川の流域には古くて貴重な土木構造物、それをとりまく豊かな水と緑が残っている。
瀬が多く分布する河床は子供たちにとっては絶好の水遊びの場であり、しかも流域には野鳥、植物、
水生昆虫が数多く棲息しているので、自然調査のフィールドとしても人気が高い。
高麗川はいつどこを見ても楽しめる川なのだ。
天神橋←0.7→多和目橋←1.7→森戸橋←1.1→万年橋←0.7→若宮橋←2.0→高麗川大橋←1.2→戸口橋←0.5→北坂戸橋←1.1→越辺川(距離:Km)
(注)本ページの画像は、Nikon COOLPIX 995 (334万画素)で撮影しました。
2001年時点での記録なので、橋の諸元や通行規制は変更されている可能性があります。
多和目天神橋 - 周辺の風景 - 埼玉県坂戸市多和目(たわめ) 左岸上流から (F6.0,45mm) 全長約53m(歩測)、幅2.0m、欄干(地覆)高0.25m 鋼桁橋(7スパン)、橋脚と橋面は木製、流木よけ(木製) 多和目天神橋は高麗川の終点から9Km上流の地点に設けられている。 この付近は坂戸市の南西端で、近くには城山(標高113m、多和目城跡)がある。 多和目という地名は[たわむ]に由来するそうで、この付近では 高麗川は頻繁に蛇行(撓み)を繰り返して流れている。 紛らわしいことに、右岸側は日高市の田波目(たばめ)である。 橋の周辺には取り付け道路が設けられていて、1t車まで通行可能である。 - 多和目天神橋の詳細 - |
多和目橋 - 周辺の風景 - 埼玉県坂戸市多和目(たわめ) 左岸から (F7.7,70mm) 全長約99m(歩測)、幅3.2m、欄干高0.55m 鋼桁橋(16スパン)、コンクリート橋脚、橋面は木製 多和目橋は、天神橋の下流700mに設置されている。 正式には冠水橋ではないようだが、冠水しやすい橋であるのは、 確かなようだ。写真手前の河岸段丘上には、城西大学と明海大学の キャンパスがあり、通行量は多い。写真左上は大学の駐車場。 ここから南へさらに1Km進むと、県道74号線の田波目交差点へ辿り着く。 その間には双体道祖神、石橋供養塔、馬頭観音など、多くの石仏が祀られている。 なお、高麗川の右岸には、高麗川ふるさと遊歩道が整備されている。 - 多和目橋の詳細 - |
若宮橋 - 周辺の風景 - 埼玉県坂戸市厚川(あつがわ) 右岸上流から (F7.1, 80mm) 全長約103m(歩測)、幅1.8m(中央部のみ2.3m)、欄干(地覆)高0.25m 鋼桁橋(16スパン、鉄道の古レール)、橋脚と橋面は木製、流木よけ(木製) 若宮橋は高麗川最下流の冠水橋である。 ( 高麗川は、この地点から4.8km下流で越辺川に合流する) 大きな橋だが、車の通行は不可能(入口の幅が1.4m) この橋は坂戸市の中心部から、わずか2Kmに位置し、 右岸には鶴舞団地もあることから通行する人が多い。 この周辺は[ふるさとの川整備事業]の予定地である。 - 若宮橋の詳細 - |