石の橋 (その6)   [石橋の一覧

音羽橋  音羽橋
 長楽用水、埼玉県比企郡川島町戸守(上流から)
 形式: 石の桁橋(1スパン) 長さ 1.7m、幅 5.6m 建設年: 不明

 川島町の西端部、東松山市との境界付近に架かる橋。
 東側の県道は旧国道254号線(熊谷川越道)である。
 この橋が通る道路は川越松山往還であり、東松山市から川島町を
 経由して、途中で越辺川を渡り坂戸市へと抜ける街道でもあった。
 越辺川の渡河には長い間、渡しが使われていたが、
 現在ではそれに替わって
冠水橋が架けられている。
 音羽橋は石造りの橋台(状態は良い)は現存するが、桁は
 大幅に改修されていて、半分はコンクリートになっている。
 橋面は現在は舗装されているが、本来は4枚の切り石が
 並べられていて、それが桁を兼用していた。橋の下の
 
長楽用水には桁の一部と思われる石材が沈んでいる。
 右岸の橋詰に祀られた庚申塔(安永十年:1781年)が
 この橋と街道の古い歴史を感じさせる。

六地蔵橋  六地蔵橋
 長楽用水、埼玉県比企郡川島町正直(しょうじき)、上流から
 形式: 石の桁橋(1スパン) 長さ 2.1m、幅 1.5m
 建設: 大正13年(1924)11月

 音羽橋から400m下流、日枝神社の付近に架かる石橋。
 日枝神社の社叢林の中には、明治34年竣工の煉瓦造り水門、
 
山王樋管も残っている。六地蔵橋の構造は埼玉県に現存する、
 小規模な石橋(明治末期から昭和初期に建設された)に顕著なもの。
 六地蔵橋の橋台と地覆(欄干)はコンクリート製であるが、
 桁には石材(238cm×41cm)が3枚使われている。
 地覆の側面には竣功年と橋名が印刻されている。
 橋名は右岸の橋詰に祀られた六地蔵(正徳四年:1714年)に
 由来すると思われる。この橋も古い歴史を持つ。
 右岸には
石橋供養塔が祀られている。なお正直地区には
 明和六年(1769)建立の石橋供養塔もある。

氷川神社の神橋  氷川神社の神橋

 埼玉県比企郡川島町下小見野(下流から)
 形式: 石の桁橋(1スパン) 長さ1.3m、幅1.7m
 建設: 文政元年(1818)

 徒歩橋(市野川)右岸に位置する氷川神社の
 入口の水路に架かる石橋。橋面はフラットではなく、
 神橋(神社の参詣橋)らしく、若干アーチ状になっている。
 それに合わせて欄干部の下端もアーチ状にしてあり、
 小さな橋だが仕上げは細かい。
 橋面には長さ126cm、幅37cmの石材が3枚と
 同サイズのコンクリート板が2枚並べられている。
 コンクリート板は拡幅のさいに追加されたものだろう。
 親柱は竣工記念碑と橋供養碑を兼ねている。

音暗渠  音暗渠

 埼玉県比企郡川島町牛ヶ谷戸(下流から)
 形式: 石の桁橋(1スパン) 長さ0.9m、幅2.7m
 建設: 明治三十五年(1902)一月

 県道12号線の東、表との境界の
 農業用水路に架かる。名称は暗渠となっているが
 現況は町道に架かる道路橋である。
 桁高が48cmと大きいが、2段の石材で構成されて
 いるので、上段の石材は欄干だと思われる。
 石積みの袖部(翼壁と護岸を兼ねる)は全長0.9m。
 橋詰に建つ天保三年(1832)の馬頭観音には、
 石橋再建立と刻まれている(
石橋供養塔)。
 この橋は江戸時代から石橋だったようである。

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