白鳥田落橋梁、太田用水橋梁、他


 以下の橋梁は、秩父鉄道(旧.上武鉄道)に吸収合併される前の北武鉄道が、
 大正10年(1921)頃に建設したと思われる。
橋台に使われている煉瓦には機械成形の跡がある。

白鳥田落橋梁  白鳥田落橋梁
 
所在地:埼玉県行田市小見、秩父鉄道の東行田駅と武州荒木駅の間
 
形式:プレートガーダー橋(1スパン、スパン長 6.5m)

 武州荒木駅の西700mに位置する橋梁。
 この橋梁の西100mには
武蔵水路、東300mには見沼代用水が流れる。
 両用水は北3Kmに位置する
利根大堰から取水している。
 下を流れる白鳥田落は小規模な農業排水路。
 現在はU字側溝(900×700mm)で改修されている。

 白鳥田落橋梁の桁は2主桁(桁高68cm)で、対傾構が付けられている。
 補剛材は7本、モーメントプレートはアメリカ様式。
 橋台は
イギリス積みで組まれ、目地は平目地。
 使われている煉瓦の平均寸法は、21
9×108×58mm。
 橋台の桁支承部には床石が残っている。

太田用水橋梁  太田用水橋梁
 
所在地:埼玉県行田市小見、秩父鉄道の東行田駅と武州荒木駅の間
 
形式:トラフガーダー橋(1スパン、スパン長 2.9m)

 白鳥田落橋梁の南西300mに位置する橋梁。
 真上には、国道125号行田バイパスの
行田大橋が架かる。
 下を流れる太田用水は農業用水路。
 
酒巻導水路の階段堰(この地点から西1.3Kmに位置する)で取水し、
 行田市若小玉、小針地区をかんがいする。

 太田用水橋梁は改築されていて、桁は建設当初のものではない。
 主桁の鋼材(4主桁、H形鋼)には、<S> 300×150と陽刻されている。
 <S> は富士製鉄のマークだと思われる。
 富士製鉄は、1970年に八幡製鉄と合併して新日本製鉄となった。
 橋台は建設当初のものと思われる煉瓦造りである。

開渠  開渠
 
所在地:埼玉県行田市小見、秩父鉄道の東行田駅と武州荒木駅の間
 
形式:Iビーム橋(1スパン、スパン長 1.5m)

 太田用水橋梁の南西500mに位置する橋梁。
 名称は開渠となっているが、下を流れるのは
長野落なので、
 正確には長野落橋梁ということになる。
 長野落は用悪水路。もともと農業専用であったが、
 最近は生活排水の流入が深刻な問題となっているという。

 本橋は建設当初の形態がほぼ完全に保たれている。
 橋台は煉瓦造りであり、煉瓦には
上敷免製の刻印が確認できる。
 主桁の鋼材には刻印は確認できない。

開渠  開渠
 
所在地:埼玉県行田市長野、秩父鉄道の東行田駅と武州荒木駅の間
 
形式:Iビーム橋(1スパン、スパン長 2.2m)

 東行田駅の北東700m、県立行田女子高校の北に位置する橋梁。
 この橋梁も建設当初の形態がほぼ完全に保たれている。
 橋台は煉瓦造りで、
イギリス積みで組まれている。
 桁の支承部には床石が残っている。

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