水辺の散歩道と若泉公園

 撮影地:旧・元小山川、埼玉県本庄市

 かつて旧・元小山川の流路は、本庄市小島から千代田、若泉、中央二丁目にかけて
 大きく蛇行していた。現在、この区間は河川改修によって、捷水路化(ショートカット)されて
 直線となっている。全長約1Kmにも及ぶ旧・元小山川の河道跡は、若泉第一公園、若泉第二公園として
 整備されている。これらの親水公園は水辺の散歩道と称され、自然の地形(右岸は断崖)を巧みに
 利用したレイアウトになっている。本庄市のセンスの良さには脱帽である。公園内には随所に休憩所が
 設けられ、駐車場、スポーツ施設なども併設されていて、本庄市民の憩いの場となっている。

 また、水辺の散歩道を散策すると、新旧の様々な形式の橋を目にすることができる。
 埼玉県で現存最古級の道路橋である寺坂橋(明治22年竣工の石造りアーチ橋)や
 親柱と欄干に独特な意匠が施された賀美橋(昭和初期竣工のRC桁橋)など、
 個性的な橋が景観に彩りを添えている。→旧元小山川の個性的な橋
 なお、本庄市には若泉公園の周辺から旧中山道に沿って、明治期〜大正期にかけて
 建設された古い洋館(木造、煉瓦造、コンクリート)が数多く残っている。

 (注)本ページの画像は、Nikon COOLPIX 995 (334万画素)で撮影しました。

 水辺の散歩道の水源
(1)水辺の散歩道の水源 本庄市小島六丁目
 若泉運動公園と市民プールの付近。
 旧・元小山川は河川改修され、水源が絶たれたので、
 地下水をポンプで汲み上げて送水している。この水は
 元小山川へと流れ込み、浄化用水の役目も果たす。
   水辺の散歩道の送水路
  (2)水辺の散歩道の送水路 千代田三丁目
   若泉運動公園の付近。この上には
若泉公園橋
   (県道462号線、V字ラーメン橋)が架けられている。
   この付近は神流川が形成した扇状地の扇端で、
   かつては到る所で湧水が見られたという。
   左岸側は昭和29年まで児玉郡旭村だったが、
   沼和田地区には
その道路元標が現在も残っている。

 若泉第一公園 
(3)若泉第一公園 千代田四丁目〜若泉二丁目
 公園内には数ヶ所にノスタルジックな形態の
 太鼓橋が架けられている。
 シルエットになっている橋は、昭和初期の救農事業で
 建設された
無名橋。親柱と欄干が豪華である。

   
賀美橋の付近
  (4)賀美橋(かみはし)の付近(下流から)
   旧元小山川に架かる
賀美橋は、ごく普通の
   コンクリート桁橋だが、左の写真の橋と同じで、
   親柱と欄干が(凝りすぎと言ってもよいくらい)豪華だ。
   公園内には本庄市出身の社会主義学者、
   石川三四郎の記念碑もある。
   なお、元小山川は旧元小山川の左岸側に
   並行して流れている。

 寺坂橋の付近
(5)寺坂橋の付近(上流から)
 千代田三丁目〜若泉二丁目
 旧元小山川の河道には随所にこのような飛び石が
 設けられている。両岸には遊歩道とベンチがある。

   旧元小山川の終点
  (6)旧元小山川の終点(右岸から) 本庄市中央二丁目
   旧元小山川は、元小山川(写真右)の右岸へ合流して
   終わる。旧元小山川の右岸側には大規模な段丘崖が
   形成されている。太古の時代に元小山川が侵食したものだ。

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