元荒川の親水公園群 (吹上町)
吹上町の元荒川は、両岸に植えられた約500本の桜並木(埼玉の自然百選にも
選ばれている)が見事である。それに、親水護岸が整備された水辺と元荒川に架かる新旧の
親しみ深い橋が彩りを添え、生活の中に自然環境が融合した豊かな都市景観を創出している。
また、元荒川の周辺には親水公園や児童公園が数多く設けられていて、地元の人々の
憩いの場となっている。これらを巡る散歩コース(荒川コスモス街道を含めると全長約11Km)は、
[ふるさとの散歩道]として位置づけられている。[俳句碑のまち ふきあげ]を標榜するだけあって、
[ふるさとの散歩道]の周辺には20数基もの俳句碑が設けられている。
これらは江戸時代から明治初期にかけて吹上町に関係する人々によって詠まれたもので、
句には吹上町の情景が織り込まれている。
(1)榎戸堰公園(下流から) 吹上町榎戸ニ丁目 元荒川右岸:榎戸堰の下流右岸に設けられている。 写真の右端が榎戸堰(1966年竣工)、元荒川から 農業用水を取水する。旧榎戸堰は明治36年(1903)に 建設された煉瓦造りの堰だった。旧堰の跡は元荒川の 右岸に護岸として残されている。榎戸堰公園の標石の 脇に積まれた石も旧榎戸堰の遺構である。 榎戸堰公園内には榎戸堰の建設に尽力した吹上村長: 代田仙三郎の顕彰碑が建てられている。なお、榎戸堰 公園から600m下流の洲崎橋の右岸には 本町五丁目児童公園が設けられている。 |
(2)さくら橋 左岸:吹上町鎌塚二丁目、右岸:本町二丁目 写真(1)から1.5Km下流。県道66号行田東松山線 (通称.産業道路)の新宿橋の上流に架けられている。 長さ16m、幅19m(歩測)の大きな橋だが、歩行者専用橋である。 その広いスペースを利用して、さくら橋は橋上公園となっている。 橋の上には東屋(あずまや)風の休憩所とテラスが 設置されている。さくら橋の左岸に設けられた鎌塚イベント公園は 元荒川さくら祭りのメイン会場である。 さくら橋の上流には佐賀橋、新佐賀橋とレトロな趣きの 橋が架けられている。 |
(3)本町せせらぎ公園 吹上町本町二丁目 元荒川右岸:写真(2)から300m下流。 高砂橋の下流から元荒川の右岸に沿った細長い公園。 長さは約150mで、公園の中心部に水路(せせらぎ)が 配置され、東屋(あずまや)風の休憩所と水車小屋が 設けられている。日本庭園風な様式の公園である。 |
(4)水鳥橋(右岸から) 右岸:吹上町鎌塚一丁目、左岸:吹上町下忍 元荒川左岸:写真(3)から200m下流。 前谷落が元荒川へ合流する地点に架かるのが、水鳥橋。 歩行者専用の屋根付き橋だが、屋根の部分はテラスとなっていて、 休憩所を兼ねている。水鳥橋も橋上公園といえる。 和風の洒落た意匠が施された橋である。 |
(5)水辺公園(旧.下流から) 吹上町下忍、前砂、袋 元荒川左岸:写真(4)から1Km下流、小谷橋の付近。 国道17号線の東側には約500mにわたって元荒川の 旧河道跡が残っている。これは昭和初期に行なわれた 元荒川支派川改修事業で元荒川の蛇行区間を 直線化したさいに残されたもの。旧河道の跡地を 吹上町が水辺公園として整備した。水辺には植裁が 施され、自然観察公園も兼ねている。閑静な住宅地の 中に位置する自然が豊かな公園である。 |
(6)三ツ木堰公園 吹上町前砂 元荒川右岸:写真(5)から900m下流。 三ツ木堰公園は愛乃橋堰と旧三ツ木堰の跡地を公園化したもの。 旧三ツ木堰は煉瓦造りの堰(農業用水を取水、明治35年に 建設)だったが、老朽化が激しいので愛乃橋堰と共に 2002年に撤去された。園内には東屋(あずまや)風の休憩所と 2基の俳句碑が設けられている。 三ツ木堰から600m下流に架かる笹原橋は、鉄道の古レールを リサイクルした三連のアーチ橋である。 |